【お金教育の土台】我慢する力・自制心を「イヤイヤ期」に伸ばすための躾5つ【非認知能力】
我が家の娘(2歳9ヶ月)は現在イヤイヤ期の真っ盛りです。親にとって子供のイヤイヤ期は早く通過してほしいことですが、同時にお金教育の土台となる【非認知能力】を伸ばすための好機と考えています。
非認知能力とは
非認知能力は点数化できる能力である認知能力の対義語で、PDCAサイクルを持続的に回して物事を進めるための能力といえます。具体的には例えば次のようなものです。
◎目標を達成するための「忍耐力」「自己抑制」「目標への情熱」
◎他者と協力するための「社会性」「敬意」「思いやり」
◎情動を抑制するための「自尊心」「楽観性」「自信」
※幼児期から育成したい! 「非認知能力」とは?【前編】|ベネッセ教育情報サイト
マシュマロ実験
スタンフォード大学での有名な心理学実験です。「今マシュマロを1個あげるけど、もし食べずに10分待っててくれたら、もう1つあげる。一人で待っててね」と言って待つことができた子供は、待てなかった子供よりも成長してからはるかに成功していたという調査結果でした。
※実際の実験風景
www.youtube.com子供たちの悶々とした表情やそわそわした態度、気を散らすような行動は非常に微笑ましいですね。
マシュマロという目先のものに流されずに、感情を制御したり気をそらせたりして10分待ち、目標を達成できた子供は、大人になってもその能力が持続していたということです。
マシュマロをお金に置き換えれば、貯金とまったく同じですね。
なお、2018年のマシュマロ実験の追試では、子供が2つ目のマシュマロまで待つためには「子供の社会的・経済的背景」が重要であるという結果が得られたということです。つまり、子供が裕福であれば、食べ慣れている目先のマシュマロにも我慢できるけれども、貧困であれば目先のマシュマロを我慢できずに食べてしまうということです。
詳しくは下記記事を参照してください。
gigazine.net
子供を取り巻く環境は、子供の精神的余裕に直接的な影響を及ぼすので、ある意味当然かも知れませんね。
子供にお金教育を施すためには、ある程度経済的・社会的に余裕のある生活でなければならないということですね。当たり前の話ですが。
お金教育と非認知能力
お金教育の中核である貯金へのモチベーションを身につけさせるためには、非認知能力が非常に重要です。
- 目先のものを買いたい【衝動】を抑え、【我慢】してお金を貯めること
- 【目標への情熱】を保ちながらお金を貯めること
です。そこで、子供のイヤイヤ期における日常生活の中で、以下の非認知能力を身につけさせるための躾をケーススタディ形式でまとめました。
- 子供にとって嫌悪感のあることを先延ばしにせず、やりたいことを後回しにできる
- 子供にとって嫌悪感のあることをするときに、感情を抑えて(駄々をこねない・泣かない)やり過ごすことができる
ケース1:食事の時間になっても「嫌!」でおもちゃで遊び続ける
「ご飯を食べた後におもちゃで遊ぼう!」と粘り強く食事をさせるよう促しましょう。「おもちゃはいつでも遊べるけれど、ご飯を食べることは生きるために必要な、とても大切なことだよ」と理由をしっかり説明すると食育にもなるでしょう。
ケース2:歯磨きのときに「嫌!」で歯磨きさせてくれない
「歯磨きしないと口の中のバイキンマンが悪いことをするよ!歯磨きをしたらおいしくご飯が食べられるよ!」と粘り強く歯磨きをするよう促しましょう。
ケース3:鼻水の吸引のときに「嫌!」で吸引させてくれない
「吸引しないと風邪が治らなくてお外で遊べないよ!吸引をしたら鼻が通って気持ち良いし風邪も治るよ!」と粘り強く吸引をするよう促しましょう。
ケース4:公園でいつまでも遊び続け、帰らせてくれない
「今帰ったらお家でご本を読んであげる(ご褒美を与える)よ!」と粘り強く帰るよう促しましょう。ご褒美を与えないとしなくなる恐れがあって「ご褒美は良くない」という意見もあるかも知れませんが、程度問題であると思います。
ケース5:子供が言いつけに従ったら褒めてやる
言いつけに従ってくれたら、その場で猛烈に褒めてやりましょう。従ったときに子供は「乗り越えた」と言えますので、すぐに褒めて正のフィードバックを与えることが極めて重要です。子供は自分の判断が正しかったと肯定できますし、親に認められて自信がつきます。
妻は抱いてやりますし、私は頭を撫でてやります。そうすると、子供も例えば「泣かなかったよ」と言ってくれます。子供自ら感情を抑制できたことについて達成感を得ている、重要な瞬間です。
イヤイヤ期は妻だけにやらせず、夫も率先して対応し、苦楽を共有する
この躾は妻と協力して行うことが欠かせません。そもそも父親である自分は躾けたくてもその場にいない場合が多く、実際には妻にしてもらうことが多いからです。また、長期間の子供の「嫌!」に逐一応対するのは結構辛かったり面倒なため、投げ出したくなるので、夫婦での意見交換(愚痴の共有)で乗り切ることが重要だからです。
また、この躾によって子供の非認知能力が向上すると考えると、子供のイヤイヤ期を乗り切るモチベーションを上げることができると期待できます。励ましになるということです。
関連書籍です。
マシュマロ実験の遂行者である著者による著作です。研究結果について述べています。
私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む
- 作者: ポール・タフ
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2017/09/06
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
2018年の追試を見込んだようなタイトルの著書です。こちらは、理論的な内容ではなく、より実践的な内容が述べられています。
優秀な頭脳は裕福な家庭から生まれる、というのはある意味当たり前で、資本主義下の世界で格差が生まれる背景になっています。格差を解消できなければ、つまり富を効果的に分配できなければ、資本主義はいずれ人類を滅ぼすと言われています。
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「『おカネの天才』の育て方」に学ぶ子供のお金教育の枠組み・学習内容まとめ
アメリカにおけるパーソナル・ファイナンスの第一人者が書いた「『おカネの天才』の育て方」という本を参考に、お金教育の枠組み(いつ頃にどのようなことを教えるべきか)を考えています。
「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」
- 作者: ベス・コブリナー,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/01/13
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
「『おカネの天才』の育て方」は、投機で資産を増大させるためのテクニックなどではなく、子供が自立して生活を営めるようになるための親から子への躾や教育を意味しているようです。
お金教育はいつから始められるか?親はどのような心構えをもつべきか?
本書では、お金教育は就学前から可能であると述べています。ただし、就学前の子供が理解できることは限られており、学齢が上がってから理解できることの方が多いはずです。したがいまして、親としては、日常生活の中で教えられるタイミングを見つけ次第、子供の理解に応じて教えることが大事になると思います。
まとめると、親がわが子を「おカネの天才」に育てるためには、
- まず親が「おカネの天才」でなければならない
- 親は子供のお金の教養について常に注意を払わなければならない
- 親が子供に直接教えなければならない(本を与えておしまい、とはならない)
ということになります。非常に大変そうですが、やりがいはありそうです。
本書はお金教育の「どんなこと」と「いつ」は書いてありますが、「どんなこと」を章立てにしてその中で「いつ」を書いています。そのため、子供の学齢に沿った構成となっておらず、やや読みにくく感じています。また、やや具体例が多すぎて読みにくい箇所が多いです。
また、本書は原著をおそらく忠実に訳しており、銀行口座の話など具体的な例はすべてアメリカの家庭に向けたものとなっているため、日本の家庭では適用できないことが多いです。
ただ、金融大国・アメリカでのお金教育をダイレクトに学べる感じはします。
そこで、本稿では、まず「いつ」で見出しを立てて「どんなこと」を列挙することで、子供の学齢に応じたお金教育についてざっくりと俯瞰します。
この本が章として扱っていない項目で私が重要だと思う内容も書いています(青字で示しました)。
子供へお金教育を施すのに適した時期
就学前児童
本書では、お金の価値は「1歳児でも分かる」としています。概念的な理解に集中できる学齢だと思います。概ね3歳でお金の概念が掴めるとありますので、お金教育は3歳からが良いのではないかと考えます。
小学生
小2までで四則演算、小3で小数、小4で大きな数、小5で百分率を学びます。四則演算ができれば買い物のときに計算ができます。小4にもなれば複利を計算させてお金が大きく増えることも頭で理解できます。
小学生は素直で非常に飲み込みが早いので、就学前に身に着けた概念的な理解をより発展させると良いのではないかと思います。
中学生
中1で正・負の数、平均と分散、中2で確率、中3で平方根・標本を学びます。したがって、金融教育を行う上では中学程度の数学が分かっていれば殆どのことは十分であると考えます。
社会の仕組みがだんだん分かってきますので、小学生のときよりも広い範囲でお金教育ができます。
高校生
15歳からアルバイトができるようになりますので、実際に稼ぐ中で学ぶことができるようになります。
国際的観点や客観的な思考が発達しますので、世界経済と地域経済、富裕層と貧困などを体系的に理解できるようになります。
大学生
銀行口座は18歳以上から親の同意なしで作れます。証券口座は20歳から親の同意なしで作れます。したがって、20歳で親と同じことが独立してできるようになると言えます。お金教育で学んだことを実践する機会が増えます。
社会人
大きなお金を自分の責任で使えるようになりますので、お金で致命的に失敗しないようにしなければなりません。親としてやることは、自立に向けて見守ることや、少々の金銭的支援に留めるのが子供のためでしょう。
お金教育の内容まとめ
- お金の概念・価値
- 貯金の概念・意義
- 仕事と報酬の関係
- 借金・クレジットカード・ローン・お金を貸すこと・信用
- お金を使うこと・物を買うこと・節約
- 保険の概念・意義
- 投資
- 社会への還元・寄付
- 学費(特に大学の学費)
- 税金の概念・意義
- ライフプランニング・家計の考え方
- お金の拾得
- お金についての言葉・格言・ことわざ
- お金についての親が守るべきルール・子供に守らせるべきルール
お金教育をするタイミング
お金のリテラシーは社会人でも身についていない人がいます。だから、いつから学んでも良いのではないかと思います。但し、素直さや飲み込みの早さは、若ければ若いほどしやすいでしょうから、概念的なところは就学前に抑えておくと良いのではないかと考えます。
お金教育をするタイミングは日々の生活の中で沢山あるのではないかと思います。少なくとも、理科や数学よりもずっと子供に施しやすいのではないかと思います。スーパーでの買い物や電気料金、ガス料金などお金と接する機会は沢山あります。
お金教育をさせる意義
お金教育を子供に施すと「将来的にお金に困らなくなる」だけではありません。
お金教育は経済学・金融学・社会学と関連性が強く、またお金の世界は数字で表現されますので、お金教育をすると算数・数学や社会も伸びることが期待できます。
まとめ
本稿ではお金教育の枠組みや学習内容について俯瞰しました。本ブログでは、私自身のモチベーション(就学前の我が子へのお金教育)に沿って、既存の書籍のノウハウを参考にしつつ、具体的なお金教育の内容と実践結果を紹介していこうと考えています。
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2019年2月:4人家族の投資損益まとめ|夫婦:つみたてNISA・iDeCo・特定口座、子供:ジュニアNISA
年明けから急激に市場が好転しましたね。我が家の含み損も急回復しました。
2019年2月末の投資損益をまとめましたので報告します。
アセットアロケーション
基本的に我が家は先進国株100%です。インデックスファンドで分散投資をして、個別株は味付け程度です。特に、米国バンガード社のVTIとeMAXIS Slim先進国株インデックスに集中投資するようなスタイルにしています。つまり、非常に米国に偏重したアセットアロケーションとしています。
特定口座(夫)
- SBI証券 (1ドル110.89円)
利益:約23万円
2ヶ月前の2018年末は約85万円の損失でしたので、約100万円戻したことになります。米国のみ、ハイテク・金融偏重のポートフォリオなので、ボラティリティが非常に大きいです。 - 楽天証券
損失:約1.5万円
楽天の株は応援の意味で保有しています(我が家は楽天経済圏にどっぷり浸かっています)。MNO事業への期待から株価が上昇し、含み損が少し減りました。
eMAXIS Slim国内債券インデックスは、楽天カード決済用です。
新興国株式インデックスは、楽天ポイント用です。月1回、1ポイント+499円で500円投資しています。
つみたてNISA
- 夫
利益:約1.7万円(2018年末損失:約5.7万円) 1年経過して利益は3.7%です。
- 妻
利益:約1万円(2018年末損失:約5.5万円)1年経過して利益は2.2%です。楽天全米との差は1.5%しかないですが、金額で7千円も違うと、つみあがってきたなぁと言う印象です。やはりこの2ヶ月間は米国が世界経済を牽引したといえると思います。
iDeCo
- 夫(12,000円/月)
利益:約0.6万円(2018年末損失:約3万円) - 妻(23,000円/月)
損失:約1.5万円(2018年末損失:約6.5万円)
ひふみ年金は損失3万1千円から1万3千円までもどしましたが、DCニッセイ外国株式インデックスはプラテンしました。ひふみ年金は全然守れていないという印象が強まっています。低コストのファンドではないので、早く手放したいところです。
ジュニアNISA
- 娘(2)
NISAは2018年中に開始。順調に積み立て中です。
損益:2万円(2018年末損失:約5万円)
- 息子(0)
NISAは2018年中に開始。年末にきっちり80万円満額投入できました。
損益:5万円(2018年末損失:約9万円)
始めた時期の差と投入金額の差で息子の方が益が大きいので、積み立て完了する4年後までに調整するつもりです。
合計損益
2019年2月末の合計の損益は、 約23万円 となりました。
2018年末の合計損失は約141万円でしたので、一気に160万円戻したことになります。
ほぼ先進国100%のポートフォリオのボラティリティの大きさを実感するとともに、一時的なドローダウンで損切りするのは機関投資家のカモになるような悪手だと感じざるを得ません。
ただし、この利益も一時的なもので、フラフラしながら少しずつ上がっていくものだと思っていますので、じっくりと続けます。
関連記事です。
2ヶ月前の運用結果です。
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子供の自立を願う父親は子供への金銭教育をどうするか・具体的に何をすべきか?を考えていきます
私は、わが子が一生お金に困らず、自立して豊かな生活が営めるようになってほしいと考えています。どの親も願うことでしょう。本ブログでは、子供の自立を願う父親はどうあるべきか・具体的に何をすべきかを考えていきます。
金融教育の必要性
子供は教育によって知識とスキルを身につけていきます。日本の学校教育は国数英理社の科目が中心の教育体系であり、その枠内での知識とスキルは身につけます。しかしながら、金融教育は総合的な学習のごく一部で教えられる可能性があるのみで、積極的に行われてはいません。したがって、子供は日常的な買い物で「お金を使うこと」は覚えても、お金を貯めること、お金を殖やすこと、お金を守ることなど、お金のHow toの知識とスキルが欠落しています。
私は、子供がこの欠落しているお金の知識とスキルを補完するのは、一家の稼ぎ頭たる親(父親・母親)が最も適任であると考えています。お金の話は非常にデリケートだからです。その点、家庭内であればいくらでも話ができます。また親は一般的に大人なので、生計を立てられていますし、税金や年金を支払っていますから最低限のお金の知識をもっています。また、お金についての失敗談や成功談などのエピソードも持っていると思います。
子供の自立に向けて親が積極的に関与することの重要性
子供の自立に必要なことは何でしょうか?あらゆることが必要なことのように思えてしまいませんか?私は、あまり心配していません。とりあえず親である自分は自立して子供をもうけるまでになっています。したがって、反面教師としての役割を含めて、自分が手本を示してやれば良いと思っています。
親が子供の気持ちを理解しつつ積極的に関与していけば、親子間の絆もより強まると思います。
本ブログで書くこと
本ブログでは、父親である私が金融教育を子供に教えるため、自ら資産形成を実践し、その足跡を読者の皆さんと共有したいと考えています。下記はブログで紹介したいざっくりとした内容です。少しずつ記事を増やしていくつもりです。お気づきのことがありましたら、ぜひブログにコメントをお寄せください。必ず返信いたします。
子供へのお金教育
- 枠組み
- 時期・具体的内容
資産形成
子供の自立支援
- 枠組み
- 父親の育児
- 日常生活の中での経験・勉強
我が家の生活・家計
- 生活費紹介
- 子供の養育費
- 子供の教育費
- 子供の教育費の節約
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<分散投資>日本株式・先進国株式・新興国株式・日本債券・先進国債券の長期(~30年間)相関
分散投資は、各資産をミックスして保有することで資産全体を大きく減らさないことを目的とする長期投資手法の一つです。本稿では、各資産の相関係数を紹介します。
※データ引用 インデックス投資のことなら 『myINDEX』 わたしのインデックス
2014年~2018年の5年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.76 | 1 | |||
新興国株式 | 0.69 | 0.87 | 1 | ||
日本債券 | -0.10 | 0.40 | 0.07 | 1 | |
先進国債券 | 0.43 | 0.84 | 0.57 | 0.57 | 1 |
国内株式:TOPIX配当込み
先進国株式:MSCIコクサイ配当込み、円ベース
新興国株式:MSCIエマージング・マーケッツ配当込み 円ベース
国内債券:野村BPI総合
外国債券:FTSE世界国債(除く日本、円ベース)
※以下の期間も同様のインデックスを用いました
2009年~2018年の10年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.85 | 1 | |||
新興国株式 | 0.40 | 0.73 | 1 | ||
日本債券 | -0.04 | 0.09 | -0.09 | 1 | |
先進国債券 | 0.70 | 0.85 | 0.44 | 0.21 | 1 |
2004年~2018年の15年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.85 | 1 | |||
新興国株式 | 0.61 | 0.82 | 1 | ||
日本債券 | -0.34 | -0.29 | -0.37 | 1 | |
先進国債券 | 0.72 | 0.87 | 0.62 | -0.12 | 1 |
1999年~2018年の20年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.74 | 1 | |||
新興国株式 | 0.68 | 0.79 | 1 | ||
日本債券 | -0.09 | -0.32 | -0.22 | 1 | |
先進国債券 | 0.10 | 0.56 | 0.26 | -0.23 | 1 |
1989年~2018年の30年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.58 | 1 | |||
新興国株式 | 0.62 | 0.67 | 1 | ||
日本債券 | -0.15 | 0.04 | 0.08 | 1 | |
先進国債券 | 0.07 | 0.66 | 0.31 | 0.07 | 1 |
各資産の相関係数のエッセンス
- 30年間では、日本株式は先進国・新興国株式ともに相関が低い
日本のバブル景気と崩壊は先進国や新興国にあまり影響を与えなかったと考えられます。 - 20年以下では、日本株と先進国株式の相関は互いに高い
近年、日本株式と先進国株式との相関が高まってきているようです。より正確には、日本株式と米国株式との相関でしょうか。 - 先進国株式と新興国株式の相関は互いに高い
一般に、世界経済後退期では、先進国からの投資マネーが新興国から一斉に引き上げられる傾向があります。逆に世界経済回復期では、投資マネーが新興国へ注がれます。
新興国市場は先進国市場ほどの規模がないので、年間リターンの騰落が主要資産の中で最も激しいという特徴があります。 - 先進国債券は先進国株式と相関が非常に高い
先進国債券はリスク分散効果はあまりないと言えます。先進国債券と先進国株式とでは、常に先進国株式の方がリターン(収益率)が2倍程度以上高く、リスク(標準偏差)も2倍程度です。したがって、少しでもリスクを抑えたいのであれば少し混ぜても良いと思われますが、長期投資でしっかりホールドできるのであれば、先進国債券はなくても良いかも知れません。 - 日本債券の相関は主要資産に対して逆相関をもつか相関はかなり低い
日本債券は主要資産の分散投資において非常に特異的な資産であるといえます。リターンは低い(5年リターンが1.8%程度)ものの逆相関を有しているので、世界市場の暴落時のリスク回避先として有力であるというのも分かります。
日本人の投資環境において、日本債券のこのような性質は財産であると思います。日本国債が安定的に日銀や国内銀行で買われている状況が今後も長期で変わらないことを祈るのみです。
長期投資でしっかりホールドできそうにない人やリスクを抑えたい人は、日本債券を多めにもっておくのが有効でしょう。
参考記事です。
cden.hatenablog.com 本稿の相関係数は上記のページで紹介したデータから出しています。
30年間の過去リターン(収益率)・リスク(標準偏差)を紹介しています。
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長期投資でどちらを買うべきか?MSCIエマージングとFTSEエマージング(新興国株式インデックス)の長期チャート・構成国
本稿では、新興国株式の主要インデックスであるMSCIエマージングとFTSEエマージングを比較した上で、最適な低コストインデックスファンドを買うことを検討します。
各インデックスの構成国ー大きな差は韓国
MSCIエマージング
MSCI Emerging Markets Index割合(%)
引用:https://www.msci.com/documents/10199/c0db0a48-01f2-4ba9-ad01-226fd5678111
FTSEエマージング
上位5カ国以下は下の表を参照してください。
引用:FTSE Emerging Index - FTSE Russell
MSCIエマージングもFTSEエマージングも、構成国割合の30%以上は中国です。先進国は米国を買っているのと同じように、新興国株は中国を買っているようなものです。中国のGDPは今後も伸び続けることが予測されているので、その割合は今後も高くなり続けるでしょう。中国を買いたい人は新興国で間違いありません。
MSCIエマージングとFTSEエマージングにおいて、上位5カ国とその割合で大きく異なるのは、MSCIエマージングには韓国が13.7%組み込まれていることです。MSCIは2014年6月時点で韓国と台湾の先進国入りを見送っています。一方のFTSEでは、韓国は2009年に先進国に格上げされています。
両格付け機関で分類が異なる理由ですが、FTSEの説明によると、
- 韓国の相対的に強い経済的地位
- 市場品質の継続的な改善が見込まれること
3つの基準(通貨の兌換性、一部の株式譲渡、および一部の外資の取引)のみが不適格であり、それらは次第に改善が見込まれること - 市場実務者が韓国を中国やインドなどと同じ新興国グループに属しておらず、先進国と判断していること
(引用:FTSE Russell Blog: South Korea - Developed or Emerging?)
を重視した結果とのことです。市場における新興国と先進国の差は、経済的地位もさることながら、通貨の流通性と市場アクセス性が重要のようです。
FTSEの記述は全体的に、韓国を“believe”するという表現が目立ち、見込みで先進国扱いしているという雰囲気があります。なお、S&Pも同様に韓国を先進国に分類しています。
このように、インデックスを作る専門家の間であっても、韓国という国は新興国なのか先進国なのか意見が分かれているという現状のようです。
各インデックスのパフォーマンス比較
両者の株価(米ドルベース)を2005年3月1日基準で比較したものです。
※VWO Historical Prices | Vanguard FTSE Emerging Markets Stock - Yahoo Finance
※EEM Historical Prices | iShares MSCI Emerging Index Fun Stock - Yahoo Finance
2008年9月まではほとんど同じ利益率でしたが、以降はMSCIインデックスのEEMの方がパフォーマンスが勝っています。特に2017年以降は顕著に差が出ています。直近の2019年1月末までの時点では、値にして12~14%の差がついています。これは、韓国が組み入れられていることによるものです。Sumsung Electronicsなどの寄与によるものでしょう。
評価
2019年現在、
です。
韓国は先進国並みの経済発展を遂げましたが、現状で非常に厳しい少子化の一途をたどっており、経済的には人口オーナス期に突入しています。したがって、長期的には経済の縮小は免れないのではないかと思っています。
過去リターンを重視した選択では、現状でパフォーマンスが高いMSCIエマージングを選択しておくということかも知れませんが、今後はむしろパフォーマンスが低下する可能性もあります。
もしかしたら、ギリシャと同様に韓国で経済危機が再度起こるとすれば、FTSEも韓国を新興国に格下げするかも知れません。そういう意味では、長期ではFTSEエマージングもMSCIエマージングもどちらも変わらなくなるかも知れません。
パフォーマンスよりも韓国への否定的な感情の方が優先するのであれば、現状はFTSEエマージングを選択すべきです。
実質コストが安いインデックスファンド・ETF(2019年2月現在)
MSCIエマージング
- eMAXIS Slim新興国株式インデックス
信託報酬:0.189%
実質コスト:0.335%
純資産:131億円
【2019年 最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?|投資信託おすすめ比較[2019]|ザイ・オンライン
- iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF (EEM)
経費率:0.67%
総資産:33.5B USD
EEM 銘柄 - iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets
EEMよりもeMAXIS Slim新興国の方がずっと低コストです。
FTSEエマージング
- SBI・新興国株式インデックス・ファンド
信託報酬:0.180%
実質コスト:0.341%
純資産:13億円
【2019年 最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?|投資信託おすすめ比較[2019]|ザイ・オンライン - VWO
経費率:0.14%
総資産:61.3B USD
VWO 銘柄 - バンガードFTSEエマージング・マーケッツET 投資信託(ファンド)情報 - Bloomberg Markets
ややVWOの方が低コストですが、日本円で買ったり積み立てしたりする場合は、SBI・新興国株式インデックス・ファンドの方が利便性が高いでしょう。
まとめ
MSCIエマージングとFTSEエマージングを比較し、低コストなファンド・ETFを検討しました。大きな差は韓国の有無です。2019年2月現在では、韓国を組み入れているMSCIエマージングの方がパフォーマンスが高いです。
関連記事です。
cden.hatenablog.comMSCI指数を少し詳しく紹介しています。
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「非課税になる」位しか分からない初心者への「絶対に損しない」iDeCoを用いた長期投資の方法
確定拠出年金(iDeCo)は運用益非課税の自分で年金を作るための制度です。若いうちから始めておくと将来の財産になると思います。そこで本稿では、iDeCoのエッセンスを確認しながら、「絶対損をしない」長期投資の方法を紹介します。
iDeCoのエッセンス
- iDeCoは入金したら原則引き出せない
年金は老後のためのものなので、原則引き出せません。
国民年金は「確定給付」(自分がもらえる額が決まっている)
iDeCoは「確定拠出」(自分が出す額が決まっている) - iDeCoで選べる商品は管理運用機関によって大きく異なる
商品とは投資信託や定期預金のことです。iDeCoの商品ラインナップは証券会社や銀行などの管理運用機関によって異なります。 - NISAと違って事務手数料が取られる
結構手数料が掛かります。加入時手数料2777円、加入して積み立て中167円/月、機関を換える場合も4320円が掛かります。 - 掛金は全額が保険料控除の対象となる
国民年金の追納額が全額控除されるのと同じで、iDeCoも全額になります。収入が多い人ほど節税できます。民間がやっている個人年金や生命保険は最大でも数万円なので、ぜひiDeCoを優先させましょう。 - 運用途中で商品の組み換え(スイッチング)ができる
購入枠が決められているNISAにはないiDeCoの大きなメリットです。
なるべくお金を増やすために知る必要があること
iDeCoでの運用では、注意したいコストが2つあります。
- 確定コスト
決まって払わなければならない費用です。エッセンスで説明した事務手数料のことです。 - 未確定コスト
選ぶ商品によって掛かる費用です。投資信託などの商品自体の運用に掛かる実質コストのことです。
「絶対に損しない」ためのエッセンス
- できるだけ手数料が安い機関を選ぶ
絶対に損しないためには、確定コストがなるべく掛からない機関を選ぶことが重要です。一つ一つの機関を調べるのは面倒なので、人気のある証券会社を選びましょう。人気があるということは、競争力を有している、魅力的な管理運用機関ということです。 - 買いたい商品がある機関を選ぶ
こちらが買いたい商品とは、「未確定コスト」が安い投資信託のことです。 - できるだけ未確定コストが安い投資信託を選ぶ
長期間にわたって信託報酬などが安い・総資産額が増え続けると期待できる、競争力が高い投資信託を選びます。
投資信託は信託報酬以外にもコストがあり、全部で実質コストといいます。
実質コストについては下記の記事を読んでみてください。
- 将来的に成長すると期待できる資産クラスを選択する
資産クラスは、大きく分けて国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・定期預金があります。定期預金以外は一般にリスクの高い投資商品です。
長期投資界隈では、おそらく国内株式・先進国株式・新興国株式の3つを軸に債券を組み合わせるのが一般的です。私はシンプルに先進国株式のみを積み立てています。
「絶対に損しない」具体的な方法
ここでは、個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~を用いて進めます。こちらは特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会が運営されているため広告がなく、客観的かつ信頼性が高いと判断できます。
1.機関はランキングから選ぶ
金融機関ページ閲覧数トップ10(2019年01月)では、
となっています。イオン銀行はイオンで買い物をよくしている人に人気ですね。この3社はいずれも確定コストである管理運用費用は同額で、最も安いです。
どこがいい?よく見られているiDeCo(イデコ)金融機関ランキング|個人型確定拠出年金ナビ「iDeCo(イデコ)ナビ」
2.投資信託は信託報酬ランキングから選ぶ
イオン銀行、SBI証券、楽天証券の3つで比較していきます。各機関の信託報酬ランキングと資産クラスを見て、最も信託報酬が安い国内株式・先進国株式(米国株含む)・新興国株式・国内債券・先進国債券を選びます。
- イオン銀行
- たわらノーロード国内債券 信託報酬0.1512%
- DIAM DC国内株式インデックスファンド
- たわらノーロード先進国債券
- DIAM新興国株式インデックスファンド<DC年金> 0.5886%
- SBI証券(セレクトプラン)
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス 信託報酬0.11772%
- eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.20412%
- 楽天証券
この3社はほとんど甲乙つけがたいです。どこでも「絶対に損しない」といえます。
投資信託の実質コストで選択するのであれば、他社とのコスト競争姿勢を明確にしているeMAXIS SLIMシリーズがあるSBI証券セレクトプランが一番良いということになります。
ただし、最強に思えるSBI証券も、給付条件では年金と一時金の併給ができないことや、年金の期間が競合他社よりも狭いという欠点があるようです。
SBI証券iDeCoが新プランを設定!最強ラインナップで再出発 | 1級FP技能士kaoruのちょっといい話
最終的には、他の要素も加味して決めると良いでしょう。
3.投資信託は将来的に成長すると期待できる資産クラスから選ぶ
一般的には、投資信託を組み合わせてシャープレシオ(1リスクあたりのリターン)が高いポートフォリオを組みます。多くの人が先進国株式を軸として、国内株式・新興国株式・国内債券・先進国債券などを組み入れます。
ポートフォリオは考え方によって様々なので、まずは有名人のポートフォリオを参考にして組めば良いでしょう。以下の記事を読んでみてください。
4.定期的にリバランスをして積み立てを続ける
リバランスとは、市場変動で値上がりした資産や値下がりした資産を設定したポートフォリオの割合にするように買い増しすることです。リバランスは結構面倒な作業ですが、割高な資産を少なめに・割安な資産を多めに買えるので、長期投資では重要です。
投資信託専門のファイナンシャル・プランナー カン・チュンドさんによる方法が東証マネ部で紹介されています。
まとめ
「絶対に損しない」iDeCoを用いた長期投資の方法を紹介しました。
現状では、シンプルにiDeCoのみの運用ではSBI証券のセレクトプランが最も良い選択肢であることが分かりました。
なお我が家のiDeCoは、私が楽天証券・妻がSBI証券のオリジナルプランなので、本稿の結論に当てはまりません。SBI証券のセレクトプランが設定される前に始めたからです。
しかしながら、他の要素も加味した上で、「絶対に損しない」の枠内だと確信していますので、粛々と積み立てを続けるつもりです。
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