アメリカにおけるパーソナル・ファイナンスの第一人者が書いた「『おカネの天才』の育て方」という本を参考に、お金教育の枠組み(いつ頃にどのようなことを教えるべきか)を考えています。

「おカネの天才」の育て方 一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」
- 作者: ベス・コブリナー,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/01/13
- メディア: 単行本
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「『おカネの天才』の育て方」は、投機で資産を増大させるためのテクニックなどではなく、子供が自立して生活を営めるようになるための親から子への躾や教育を意味しているようです。
お金教育はいつから始められるか?親はどのような心構えをもつべきか?
本書では、お金教育は就学前から可能であると述べています。ただし、就学前の子供が理解できることは限られており、学齢が上がってから理解できることの方が多いはずです。したがいまして、親としては、日常生活の中で教えられるタイミングを見つけ次第、子供の理解に応じて教えることが大事になると思います。
まとめると、親がわが子を「おカネの天才」に育てるためには、
- まず親が「おカネの天才」でなければならない
- 親は子供のお金の教養について常に注意を払わなければならない
- 親が子供に直接教えなければならない(本を与えておしまい、とはならない)
ということになります。非常に大変そうですが、やりがいはありそうです。
本書はお金教育の「どんなこと」と「いつ」は書いてありますが、「どんなこと」を章立てにしてその中で「いつ」を書いています。そのため、子供の学齢に沿った構成となっておらず、やや読みにくく感じています。また、やや具体例が多すぎて読みにくい箇所が多いです。
また、本書は原著をおそらく忠実に訳しており、銀行口座の話など具体的な例はすべてアメリカの家庭に向けたものとなっているため、日本の家庭では適用できないことが多いです。
ただ、金融大国・アメリカでのお金教育をダイレクトに学べる感じはします。
そこで、本稿では、まず「いつ」で見出しを立てて「どんなこと」を列挙することで、子供の学齢に応じたお金教育についてざっくりと俯瞰します。
この本が章として扱っていない項目で私が重要だと思う内容も書いています(青字で示しました)。
子供へお金教育を施すのに適した時期
就学前児童
本書では、お金の価値は「1歳児でも分かる」としています。概念的な理解に集中できる学齢だと思います。概ね3歳でお金の概念が掴めるとありますので、お金教育は3歳からが良いのではないかと考えます。
小学生
小2までで四則演算、小3で小数、小4で大きな数、小5で百分率を学びます。四則演算ができれば買い物のときに計算ができます。小4にもなれば複利を計算させてお金が大きく増えることも頭で理解できます。
小学生は素直で非常に飲み込みが早いので、就学前に身に着けた概念的な理解をより発展させると良いのではないかと思います。
中学生
中1で正・負の数、平均と分散、中2で確率、中3で平方根・標本を学びます。したがって、金融教育を行う上では中学程度の数学が分かっていれば殆どのことは十分であると考えます。
社会の仕組みがだんだん分かってきますので、小学生のときよりも広い範囲でお金教育ができます。
高校生
15歳からアルバイトができるようになりますので、実際に稼ぐ中で学ぶことができるようになります。
国際的観点や客観的な思考が発達しますので、世界経済と地域経済、富裕層と貧困などを体系的に理解できるようになります。
大学生
銀行口座は18歳以上から親の同意なしで作れます。証券口座は20歳から親の同意なしで作れます。したがって、20歳で親と同じことが独立してできるようになると言えます。お金教育で学んだことを実践する機会が増えます。
社会人
大きなお金を自分の責任で使えるようになりますので、お金で致命的に失敗しないようにしなければなりません。親としてやることは、自立に向けて見守ることや、少々の金銭的支援に留めるのが子供のためでしょう。
お金教育の内容まとめ
- お金の概念・価値
- 貯金の概念・意義
- 仕事と報酬の関係
- 借金・クレジットカード・ローン・お金を貸すこと・信用
- お金を使うこと・物を買うこと・節約
- 保険の概念・意義
- 投資
- 社会への還元・寄付
- 学費(特に大学の学費)
- 税金の概念・意義
- ライフプランニング・家計の考え方
- お金の拾得
- お金についての言葉・格言・ことわざ
- お金についての親が守るべきルール・子供に守らせるべきルール
お金教育をするタイミング
お金のリテラシーは社会人でも身についていない人がいます。だから、いつから学んでも良いのではないかと思います。但し、素直さや飲み込みの早さは、若ければ若いほどしやすいでしょうから、概念的なところは就学前に抑えておくと良いのではないかと考えます。
お金教育をするタイミングは日々の生活の中で沢山あるのではないかと思います。少なくとも、理科や数学よりもずっと子供に施しやすいのではないかと思います。スーパーでの買い物や電気料金、ガス料金などお金と接する機会は沢山あります。
お金教育をさせる意義
お金教育を子供に施すと「将来的にお金に困らなくなる」だけではありません。
お金教育は経済学・金融学・社会学と関連性が強く、またお金の世界は数字で表現されますので、お金教育をすると算数・数学や社会も伸びることが期待できます。
まとめ
本稿ではお金教育の枠組みや学習内容について俯瞰しました。本ブログでは、私自身のモチベーション(就学前の我が子へのお金教育)に沿って、既存の書籍のノウハウを参考にしつつ、具体的なお金教育の内容と実践結果を紹介していこうと考えています。
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