分散投資は、各資産をミックスして保有することで資産全体を大きく減らさないことを目的とする長期投資手法の一つです。本稿では、各資産の相関係数を紹介します。
※データ引用 インデックス投資のことなら 『myINDEX』 わたしのインデックス
2014年~2018年の5年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.76 | 1 | |||
新興国株式 | 0.69 | 0.87 | 1 | ||
日本債券 | -0.10 | 0.40 | 0.07 | 1 | |
先進国債券 | 0.43 | 0.84 | 0.57 | 0.57 | 1 |
国内株式:TOPIX配当込み
先進国株式:MSCIコクサイ配当込み、円ベース
新興国株式:MSCIエマージング・マーケッツ配当込み 円ベース
国内債券:野村BPI総合
外国債券:FTSE世界国債(除く日本、円ベース)
※以下の期間も同様のインデックスを用いました
2009年~2018年の10年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.85 | 1 | |||
新興国株式 | 0.40 | 0.73 | 1 | ||
日本債券 | -0.04 | 0.09 | -0.09 | 1 | |
先進国債券 | 0.70 | 0.85 | 0.44 | 0.21 | 1 |
2004年~2018年の15年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.85 | 1 | |||
新興国株式 | 0.61 | 0.82 | 1 | ||
日本債券 | -0.34 | -0.29 | -0.37 | 1 | |
先進国債券 | 0.72 | 0.87 | 0.62 | -0.12 | 1 |
1999年~2018年の20年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.74 | 1 | |||
新興国株式 | 0.68 | 0.79 | 1 | ||
日本債券 | -0.09 | -0.32 | -0.22 | 1 | |
先進国債券 | 0.10 | 0.56 | 0.26 | -0.23 | 1 |
1989年~2018年の30年間における各資産間の相関係数
日本株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 日本債券 | 先進国債券 | |
日本株式 | 1 | ||||
先進国株式 | 0.58 | 1 | |||
新興国株式 | 0.62 | 0.67 | 1 | ||
日本債券 | -0.15 | 0.04 | 0.08 | 1 | |
先進国債券 | 0.07 | 0.66 | 0.31 | 0.07 | 1 |
各資産の相関係数のエッセンス
- 30年間では、日本株式は先進国・新興国株式ともに相関が低い
日本のバブル景気と崩壊は先進国や新興国にあまり影響を与えなかったと考えられます。 - 20年以下では、日本株と先進国株式の相関は互いに高い
近年、日本株式と先進国株式との相関が高まってきているようです。より正確には、日本株式と米国株式との相関でしょうか。 - 先進国株式と新興国株式の相関は互いに高い
一般に、世界経済後退期では、先進国からの投資マネーが新興国から一斉に引き上げられる傾向があります。逆に世界経済回復期では、投資マネーが新興国へ注がれます。
新興国市場は先進国市場ほどの規模がないので、年間リターンの騰落が主要資産の中で最も激しいという特徴があります。 - 先進国債券は先進国株式と相関が非常に高い
先進国債券はリスク分散効果はあまりないと言えます。先進国債券と先進国株式とでは、常に先進国株式の方がリターン(収益率)が2倍程度以上高く、リスク(標準偏差)も2倍程度です。したがって、少しでもリスクを抑えたいのであれば少し混ぜても良いと思われますが、長期投資でしっかりホールドできるのであれば、先進国債券はなくても良いかも知れません。 - 日本債券の相関は主要資産に対して逆相関をもつか相関はかなり低い
日本債券は主要資産の分散投資において非常に特異的な資産であるといえます。リターンは低い(5年リターンが1.8%程度)ものの逆相関を有しているので、世界市場の暴落時のリスク回避先として有力であるというのも分かります。
日本人の投資環境において、日本債券のこのような性質は財産であると思います。日本国債が安定的に日銀や国内銀行で買われている状況が今後も長期で変わらないことを祈るのみです。
長期投資でしっかりホールドできそうにない人やリスクを抑えたい人は、日本債券を多めにもっておくのが有効でしょう。
参考記事です。
cden.hatenablog.com 本稿の相関係数は上記のページで紹介したデータから出しています。
30年間の過去リターン(収益率)・リスク(標準偏差)を紹介しています。
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