確定拠出年金(iDeCo)は運用益非課税の自分で年金を作るための制度です。若いうちから始めておくと将来の財産になると思います。そこで本稿では、iDeCoのエッセンスを確認しながら、「絶対損をしない」長期投資の方法を紹介します。
iDeCoのエッセンス
- iDeCoは入金したら原則引き出せない
年金は老後のためのものなので、原則引き出せません。
国民年金は「確定給付」(自分がもらえる額が決まっている)
iDeCoは「確定拠出」(自分が出す額が決まっている) - iDeCoで選べる商品は管理運用機関によって大きく異なる
商品とは投資信託や定期預金のことです。iDeCoの商品ラインナップは証券会社や銀行などの管理運用機関によって異なります。 - NISAと違って事務手数料が取られる
結構手数料が掛かります。加入時手数料2777円、加入して積み立て中167円/月、機関を換える場合も4320円が掛かります。 - 掛金は全額が保険料控除の対象となる
国民年金の追納額が全額控除されるのと同じで、iDeCoも全額になります。収入が多い人ほど節税できます。民間がやっている個人年金や生命保険は最大でも数万円なので、ぜひiDeCoを優先させましょう。 - 運用途中で商品の組み換え(スイッチング)ができる
購入枠が決められているNISAにはないiDeCoの大きなメリットです。
なるべくお金を増やすために知る必要があること
iDeCoでの運用では、注意したいコストが2つあります。
- 確定コスト
決まって払わなければならない費用です。エッセンスで説明した事務手数料のことです。 - 未確定コスト
選ぶ商品によって掛かる費用です。投資信託などの商品自体の運用に掛かる実質コストのことです。
「絶対に損しない」ためのエッセンス
- できるだけ手数料が安い機関を選ぶ
絶対に損しないためには、確定コストがなるべく掛からない機関を選ぶことが重要です。一つ一つの機関を調べるのは面倒なので、人気のある証券会社を選びましょう。人気があるということは、競争力を有している、魅力的な管理運用機関ということです。 - 買いたい商品がある機関を選ぶ
こちらが買いたい商品とは、「未確定コスト」が安い投資信託のことです。 - できるだけ未確定コストが安い投資信託を選ぶ
長期間にわたって信託報酬などが安い・総資産額が増え続けると期待できる、競争力が高い投資信託を選びます。
投資信託は信託報酬以外にもコストがあり、全部で実質コストといいます。
実質コストについては下記の記事を読んでみてください。
- 将来的に成長すると期待できる資産クラスを選択する
資産クラスは、大きく分けて国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・定期預金があります。定期預金以外は一般にリスクの高い投資商品です。
長期投資界隈では、おそらく国内株式・先進国株式・新興国株式の3つを軸に債券を組み合わせるのが一般的です。私はシンプルに先進国株式のみを積み立てています。
「絶対に損しない」具体的な方法
ここでは、個人型確定拠出年金ナビ(iDeCoナビ)~イデコ加入ガイド~を用いて進めます。こちらは特定非営利活動法人 確定拠出年金教育協会が運営されているため広告がなく、客観的かつ信頼性が高いと判断できます。
1.機関はランキングから選ぶ
金融機関ページ閲覧数トップ10(2019年01月)では、
となっています。イオン銀行はイオンで買い物をよくしている人に人気ですね。この3社はいずれも確定コストである管理運用費用は同額で、最も安いです。
どこがいい?よく見られているiDeCo(イデコ)金融機関ランキング|個人型確定拠出年金ナビ「iDeCo(イデコ)ナビ」
2.投資信託は信託報酬ランキングから選ぶ
イオン銀行、SBI証券、楽天証券の3つで比較していきます。各機関の信託報酬ランキングと資産クラスを見て、最も信託報酬が安い国内株式・先進国株式(米国株含む)・新興国株式・国内債券・先進国債券を選びます。
- イオン銀行
- たわらノーロード国内債券 信託報酬0.1512%
- DIAM DC国内株式インデックスファンド
- たわらノーロード先進国債券
- DIAM新興国株式インデックスファンド<DC年金> 0.5886%
- SBI証券(セレクトプラン)
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス 信託報酬0.11772%
- eMAXIS Slim新興国株式インデックス 0.20412%
- 楽天証券
この3社はほとんど甲乙つけがたいです。どこでも「絶対に損しない」といえます。
投資信託の実質コストで選択するのであれば、他社とのコスト競争姿勢を明確にしているeMAXIS SLIMシリーズがあるSBI証券セレクトプランが一番良いということになります。
ただし、最強に思えるSBI証券も、給付条件では年金と一時金の併給ができないことや、年金の期間が競合他社よりも狭いという欠点があるようです。
SBI証券iDeCoが新プランを設定!最強ラインナップで再出発 | 1級FP技能士kaoruのちょっといい話
最終的には、他の要素も加味して決めると良いでしょう。
3.投資信託は将来的に成長すると期待できる資産クラスから選ぶ
一般的には、投資信託を組み合わせてシャープレシオ(1リスクあたりのリターン)が高いポートフォリオを組みます。多くの人が先進国株式を軸として、国内株式・新興国株式・国内債券・先進国債券などを組み入れます。
ポートフォリオは考え方によって様々なので、まずは有名人のポートフォリオを参考にして組めば良いでしょう。以下の記事を読んでみてください。
4.定期的にリバランスをして積み立てを続ける
リバランスとは、市場変動で値上がりした資産や値下がりした資産を設定したポートフォリオの割合にするように買い増しすることです。リバランスは結構面倒な作業ですが、割高な資産を少なめに・割安な資産を多めに買えるので、長期投資では重要です。
投資信託専門のファイナンシャル・プランナー カン・チュンドさんによる方法が東証マネ部で紹介されています。
まとめ
「絶対に損しない」iDeCoを用いた長期投資の方法を紹介しました。
現状では、シンプルにiDeCoのみの運用ではSBI証券のセレクトプランが最も良い選択肢であることが分かりました。
なお我が家のiDeCoは、私が楽天証券・妻がSBI証券のオリジナルプランなので、本稿の結論に当てはまりません。SBI証券のセレクトプランが設定される前に始めたからです。
しかしながら、他の要素も加味した上で、「絶対に損しない」の枠内だと確信していますので、粛々と積み立てを続けるつもりです。
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