自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

投資に関心のない人がiDeCo(個人型確定拠出年金)で資産形成をする方法を、楽天証券を例にして優しく詳しく解説します

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本稿は、20代~50代位の給与所得者が老後資金を貯めるために個人型確定拠出年金iDeCoを利用すべき理由と、投資信託の基本的なとらえ方や楽天証券での買い方などについて、具体的にどうすれば良いかをなるべく専門用語を避けて丁寧に説明してみます。

はじめに

筆者の親友(30代独身女性、投資未経験)は普通のフルタイムの会社で働いています。彼女は老後資金を月々の厚生年金とドル建て終身の生命保険によって貯めています。彼女が老後を明るいものにするためには、さらなる資産形成が必要だと親友として感じています。そこで、お節介を承知でiDeCoによる資産形成を勧めている訳です。

仕事をしている人ならば必ずiDeCoを始めるべき理由

国民年金などの国民皆保険は年齢に応じて強制的に加入する保険ですが、ここで説明する個人型確定拠出年金iDeCo)は任意で加入する私的年金です。また、iDeCoは保険会社で契約する個人年金保険(払込額と給付される金額が決まっている、確定給付)とは異なり、自分で払込額を決める(確定拠出)ことができます。

詳しくは:

www.ideco-koushiki.jp

iDeCoの最重要ポイント

拠出できる(払える)金額の月当たり限度額は被保険者の種類によって異なる

自営業(第1号被保険者):月68,000円/年額816,000円

会社員(第2号被保険者)
  企業年金がない会社:月23,000円/年額276,000円

  企業型確定拠出年金のある会社:月20,000円/年額240,000円

  企業型確定拠出年金厚生年金基金確定給付企業年金に加入:月12,000円/年額144,000円

厚生年金基金確定給付企業年金に加入:月12,000円/年額144,000円

公務員など(第2号被保険者):月12,000円/年額144,000円

専業主婦(主夫)など(第3号被保険者):月23,000円/年額276,000円

 

例えば私は「公務員など」なので月12,000円、妻はフルタイムのパートで「会社員」かつ「企業年金がない会社」なので月23,000円です。

自分の会社がどこに属しているのか分からない場合、労務関係部署の担当者にきいてみましょう。

拠出したお金は60歳になるまで引き出せない

iDeCoは働けなくなる老後に使うための年金なので、拠出して運用している資金は原則的に60歳になるまで引き出せません。

これは、生活が不安定な人にはデメリットとして働くでしょうが、資産運用的にはメリットとして働きます。何故ならば、人はみな暴落中にあっては資産が減ることに耐えられませんので、売ってしまいます。資金が拘束されていると、それができないから良いのです。

iDeCoに拠出した金額は全額所得税と住民税の控除対象になる

iDeCoは民間の保険会社から買える個人年金保険と似た性質を持ちますが、個人年金保険の税控除額が所得税で最大4万円、住民税で2万8千円に対して、iDeCoでは拠出金額全額が所得税と住民税の控除対象になります。月23,000円の積立ならば、年276,000円です。

iDeCoで拠出した金額は年末調整で申請する

iDeCoの支払い済み金額の証明書は、他の生命保険などと同じように、年末調整の季節(11月初旬)に郵送されてきます。

具体的な方法は、

diamond.jpが詳しいです。

iDeCoで節税できる金額

課税額については、所得税累進課税で5%~45%、住民税は一律10%です。例として年収250万円(税込)ならば、所得税10%、住民税10%の計20%課税されます。したがって、課税額は50万円となります。

これが、iDeCoで月23,000円拠出するのであれば、年276,000円なので、節税額は276,000×0.2(20%)=55,200円となります。実に課税額50万円のうち、11%分が節税できます。1年で11%儲かる投資商品というものは殆ど詐欺のようなものですが、iDeCoならば国の制度として11%節税できます。iDeCoへ拠出したお金は、リスク商品ならばさらに増えますので、美味しいとしか言えません。

iDeCoの手数料

楽天証券SBI証券など大手のネット証券ならば、掛かる金額は

初期費用2,829円+月105円(国民年金基金連合会)+月66円(信託銀行)

です。1年目は4,881円、2年目以降は2052円です。節税額や運用利益を考えると、ほとんど手数料は気になりません。

年齢別iDeCoで貯められる金額|老後資金として十分か?

35歳で始めた → 60歳まで25年、月23,000円拠出で6,900,000円
40歳で始めた → 60歳まで20年、月23,000円拠出で5,520,000円
50歳で始めた → 60歳まで10年、月23,000円拠出で2,760,000円

iDeCoで選ぶ投資商品の選び方(楽天証券iDeCoの場合)

取扱商品一覧 | 個人型確定拠出年金(iDeCo) | 楽天証券
から商品を選びます。

元本を1円でも減らしたくないよ派

みずほDC定期預金

ノーリスク・ノーリターンです。みずほ銀行にお金を預けるのと変わりません。
お金の額は減りませんが、日本円自体がインフレすると相対的に価値が下がっていきます。インフレリスクと言います。目下の超低金利にあっては、定期預金ではインフレリスクに対処できません。

一時的に元本を割っても良いからお金を増やしたいよ派

実は定期預金はお勧めしません。インフレ誘導は財政的政策ということもあり、通常避けられないからです。ということで私は断然こちらをお勧めします。

投資においてリスクとリターンは表裏一体です。リスクを取るからリターンが得られるのです。

投資できる商品
  • 株式
    世界中の企業が資金を調達するために発行するものです。企業価値が上がると株式も上がります。
    先進国株アメリカ・日本・英国・ドイツ・フランスなど先進国の企業の株を集めたものです。例えば、アメリカのマイクロソフトや日本のトヨタ、スイスのネスレなど日常的に目にする企業も含まれています。
    新興国:中国、韓国、インド、ブラジル、ロシアなど経済的・金融的に先進国の次に位置する国の企業の株を集めたものです。
    REIT(リート)
    不動産投資信託といい、株の一種です。不動産収入を得る企業に投資して、間接的に不動産収入を得られる投資商品です。基本的に土地は有限の資産なので、世界全体のREITは長期的に見ると値上がりします。
     国内REIT:国内のREITです。これを買えば、国内に存在する不動産収入を得る企業の株を少しずつですが全部買うことができます。REIT投資信託を買えば、例えば東京の大手町や新宿、渋谷のビルオーナーになるようなものです。
     先進国REITアメリカやオーストラリアなど先進国のREITを集めたものです。
  • 債券
    国が資金を調達するために発行する国債、企業が資金を調達するために発行する社債などがあります。
    先進国債米国債、日本国債英国債フランス国債など先進国が発行した国債や先進国の企業が発行した債券で投資格付けが高いものを集めたものです。
    新興国債券:韓国、インド、ブラジル、ロシア、中国など新興国が発行した国債新興国の企業が発行した債券で投資格付けが高いものを集めたものです。iDeCoでは単品の取り扱いは通常ありませんが、「世界債券」という商品には混ざっている場合があります。

  • 商品そのものも投資できます。代表的なのが金です。金は貴金属の中で最も取引されている商品で、その売買高によって金額が変動します。金は「有事の金」といい、株価や債券が暴落したときに買われる傾向があります。
減る元本は少ないに越したことないし面倒なのは嫌だよ派(リスク小)

楽天・インデックス・バランス(DC年金) 信託報酬0.2%

これだけ買ってください。全世界株式15%と全世界債券85%で、極めて安全寄りの商品です。信託報酬が低いため、長期運用でも損が少ないです。

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1年リターン7.5%です。非常に値動きが緩慢で、安心感が凄いです。ただ、iDeCo自体余裕資金でやっているのであれば、債券を含む商品は買う必要はないかも知れません。

元本は減っても良いから増やしたいけど面倒なのは嫌だよ派(リスク大)

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))

これだけ買ってください。ジェレミー・シーゲル教授によれば、過去200年でのリターンは株式が1番で、債券は株の1/1000でした。したがって、長期投資になればなるほど、株だけの方がリターンが多くなります。ということで、全世界の株式を買えば良いということになります。

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1年リターン25%です。債券がない分上下動が激しいですが、この商品は世界経済の成長に賭けるということで、人類が発展し続ける限り上がり続けるはずです。そういう意味での安心感が凄いです。

元本は減っても良いから増やしたいし自分で商品を組み合わせたいよ派

 国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、国内REIT、先進国REIT、金を組み合わせて自分の好きな割合で買います。商品の組み合わせの割合を示したものを「ポートフォリオ」と言います。

例えば、

  • 国内株式4:先進国株式6
  • 先進国株式8:国内株式1:新興国株式1
  • 国内債券2:新興国株式8
  • 定期預金3:先進国株式5:日本株式1:新興国株式1

など、好きなように割合を決められます。

色々な人のポートフォリオについては、以前まとめたものがありますので、参照してみてください。

cden.hatenablog.com

自分でポートフォリオを組む場合、1年に1度や半年に1度「リバランス」という操作をしてください。

リバランスのやり方

  1. 現在の投資商品毎の金額の割合を計算する
  2. 元々決めた割合になるように商品を買い直す

この操作をすることで、現在割安の商品をより多く買うことができます。

「全世界株式」という名前の商品は、商品の内部で先進国株式、国内株式、新興国株式の3つの商品についてこの面倒なリバランスをやってくれていますので、完全放置で大丈夫です。

同様に、「バランスファンド」と呼ばれるような商品は、商品の内部で「全世界株式」、「全世界債券」や「REIT」のリバランスをしてくれていますので、完全放置で大丈夫です。

信託報酬は低ければ低いほど良い

信託報酬は、実際に株を売買する投資信託の運用者に支払われるお金です。信託報酬「1%」ならば、投資信託が値上がりしても値下がりしても1年で1%分値段(基準価額)が下落するということです。「0.1%多い位気にしない」などというのは、良くない発想です。0.1%の違いでも30年続いたら3%です。元本100万円で1%が30年間だと、買って持っているだけで30万円の損失です。したがって、信託報酬は少ないことに越したことはありません。

家計でいえば、信託報酬は「固定費」みたいなものです。固定費は少なく抑えるのが基本です。

iDeCoで積み立てし始めたら心掛けること

  • 余裕のある資金で行うこと。30歳で始めたら30年間引き出せないため。
  • 給料から天引きで機械的に続けること。iDeCoで積み立てるお金は元々なかったものと思うと気が楽。
  • 一時的に投資元本が割れても気にしないこと。基本的に株は値上げ、値下げをうろうろ繰り返しながら値上がりしてきています。
  • 他の投資商品も勉強すること。iDeCoは商品の入れ替えができます。より自分に合ったポートフォリオの追求などは、マニアックですが面白いです。

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