一家の資産形成のためには、自分(夫)のNISA口座やiDeCo口座だけでなく、妻のNISA口座やiDeCo口座、子供のジュニアNISAなどを作り、節税メリットを最大限活かすのが有効であると思います。
そのためには、まずは妻からの信用を得ることが最も重要な課題となります。そこで、本稿では投資に嫌悪感や不安感をもつ妻に妻名義で証券口座(NISA・iDeCo口座)を作らせる説得方法を考えます。もちろんこの説得方法が有効でしたら、妻の同意を得て子供のジュニアNISA口座を開設することも可能であると思います。
現状認識させる
銀行預金のような低い利回りではインフレ率に負けることを力説する
出典:世界経済のネタ帳
日本のインフレ率は2018年で1.2%で、今後数年間は1%程度が続くと予想されています。物価が毎年1%程度上がるということです。昨年10,000円で買えていた物が、翌年は10,100円になるということです。「物価が上がる」ということは、同じ額面10,000円であっても「お金そのものの価値が下がる」ということです。
銀行預金の金利はゆうちょや多くの都市銀行で0.001%ほどしかありません。これは100,000円預けても翌年は100,001円にしかならないということです。いうなれば「無料で使える金庫」のような役割だけで、お金が増えるという感覚は得られません。
したがって、金利1%未満の銀行預金に預けているだけでは、インフレ率に勝てず、実質的にお金が減っていきます。
投資を毛嫌いする人は元本割れリスクを非常に嫌がりますが、銀行預金に預けていて安心感を得ているというのは、インフレ率を考えると非常に滑稽です。「額面が減らなければお金の価値は変わらない」と思い込んでいるのでしょう。低金利の定期預金などは、緩やかに元本が割れていくようなものです。以上を妻には強く認識させましょう。
毎月納めている国民年金や厚生年金は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によって運用されていることを力説する
成人であれば国民年金を支払っていますが、この国民年金はGPIFによって投資運用されています。年金は確定給付金なので、支払ったらその後は給付年齢を考える位しかやることがありませんが、自分が払ったお金が投資されていることは事実です。したがって、妻に「君は間接的に、投資家である」ということを強調しましょう。
もし旦那さん(この記事をお読みの同志)に余力がありましたら、GPIFの運用方針と基本ポートフォリオも説明するとなお良いでしょう。
支払っている生命保険料は生命保険会社によって運用されていることを力説する(妻が自分名義の生命保険を契約している場合)
これも年金と同様です。確定給付の保険であれば考えが及ばないでしょうが、運用成績によってお金が還付されるタイプの保険に加入していたら説明しやすいですね。「君はすでに投資家である」と強調しましょう。
期待を持たせる
株、債券の期待リターンは銀行預金利回りよりもはるかに高く、お金が殖えることを力説する
一般的に利回りは商品ごとに
です。
例えば先進国株式の投資信託であるMSCIコクサイ・インデックスの長期平均利回りは6%ほどです。 cden.hatenablog.com
6%あればインフレに勝てる上、資産が殖えていきます。
なお、銀行預金金利の原資は銀行が行っている投資(主に債券)の利益です。したがって、日本国債がマイナス金利を行っている限り、銀行預金金利が上がることはありません。
一時的な元本割れをしても、長期的には利益が増える確率が高く、お金が殖えることを力説する
元本割れは精神的に苦痛なものです。妻には、株は短期的にはランダムに上昇と下落を繰り返すものなので、投資開始後間もなくは下落することもあるが、長期的には経済活動が拡大する限り上昇していくことを説明して安心させてください。
米国のS&P500あたりの超長期チャートを見せると、なお効果的でしょう。
歴史上、株など資産の成長率は常に労働によって得られる賃金の成長率よりも高いということが立証されています(トマ・ピケティ「21世紀の資本」)。
したがって、妻には「自分たちが労働の対価としてお金を稼ぐ」というだけではなく、「お金自身も働かせてお金を稼げる」ということを理解させてやってください。
「君も労働者階級から資本家階級へクラスチェンジしよう!」と強調しましょう。
ただのサラリーマン、パート主婦、専業主婦ではなく、サラリーマン投資家、兼業主婦投資家、主婦投資家にジョブチェンジするということです。まずは「何となくカッコイイ」と思わせれば、嫌悪感はだいぶ失われたといえると思います。
まとめ
家族の資産運用には誰よりも妻からの信用を得ることが最も重要です。それには、普段から妻と資産の状況を話し合ったり、将来の生活設計について話し合ったり、お金の使い方を刷り合わせたりすることが大事かと思います。私に対する信用があるからこそ、妻は安心して(能天気に)いられるのだと思います。
私は妻にNISA口座・iDeCo口座を作らせただけではなく、娘と息子の未成年口座も作りました(未成年口座の開設には親権者たる両親2人の同意が必要なので、説得が必要でした)。
妻の口座での運用は、専ら私がしています(妻は投資に理解はあるものの、あまり興味がないからです)。
妻に読ませて反応の良かった書籍です。
人気FP横山氏による3000円投資生活の実践編です。投資元本を増やす家計管理の具体的方法が分かりやすいです。
インデックス投資の本です。主婦層をメインターゲットにしており、妻も共感を得る所が多かったようです。
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