この就職難であっても、博士後期後期課程学生やポスドクは
パイの少ない大学や独法研究所の公募戦線に身を挺し、
少なくない人達が脱落して全く学位と無関係な職を選択せざるを得ないという厳しい状況です。
こういう人達は研究だけがしたい人達なのかなと、不思議に思う時があります。
もう少し考え方を変えれば、つまり研究教育者として研究を主軸とする大学教員から、研究と教育を主軸とする高専教員も視野に入れれば、専門性を活かせるはずだと思います。
つまり、
高専の教員は学位保持者や学位取得見込者にとってとても魅力的な就業先と言いたいのです。
高専教員は大学教員と比べると、確かにデメリットが目立ちます。
・同じ職階でも給料が少ない(らしい)
・部活の顧問や寮の宿直がれっきとした職務となっているため、研究時間が圧迫される
・クラスの担任も職務であるため、研究時間が圧迫される
だけれども、大学教員と同じ位、または大学教員よりもメリットを感じることもあります。
・助教にも個室が用意される
・専科の常勤には実験室も与えられる(実際、新任の私にも2部屋も与えられている)
・教育に対し重点的に取り組める
・独法化したとはいえ未だ準公務員的であり、長期的に働ける(年金も健康保険も文部科学省共済)
そういう点もあり、さらに、
地方高専の教員公募は競争率が高くないのではないかという考えもあります。
大学の公募は一般に狭き門で、倍率100倍レベルだと言われています。
一方、高専の教員は大学教員よりは確実に倍率が小さいでしょう。
地方の高専だと、むしろ応募者ウェルカムという所もあると思います。
一度都会に出たけれどもIターンした人や、そもそも高専教員を目指して学位を目指した人等々。
まあ、高専と無関係だった人が少ない、という訳でもないみたいですが。
これまでの文を読んで高専も良いかもと思った公募戦士は、
JREC-inで自分の専門分野と高専にチェックして検索してみてください。
高専の専科では、
専科が受け持つ分野(JABEEが求めるカリキュラム)に対応出来る教員がいることが最も重要なので、
専門分野がマッチした人材は採用されやすい
です。
高専の科(Department)は大学の科よりも人数が少ないので、大学よりも一人一人の専門性が被らない傾向があります。
教員公募は前任者の埋め合わせであることが殆どなので、前任者の専門を調べてみましょう。
それでも分からなければ、採用担当者(学科長であることが多い)に問い合わせして訊いてみましょう。
その上で応募するかどうか判断しましょう。
高専の教員は専門分野のマッチ具合で決まる。