自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

オリンピックボランティアが加入する保険について解説。追加で任意保険に入る必要はあるか。

コロナ禍のオリンピックにボランティアとして参加する上で、やはり加入する保険については確認しておきたいところです。その上で、任意加入する保険を考える必要があります。

そこで、本稿ではオリンピックボランティアが加入する保険を紹介し、その上で不足する補償を任意保険でカバーするならどのような保険かを考えます。

オリンピックボランティアが加入している保険

ボランティアがユニフォーム等を受け取るときに貰えるもので「Field Cast Pocket Guide」なる冊子があります。この冊子の27ページに、ボランティア活動向けの保険についての記述があります。

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なお、加入している保険はスポーツ安全保険です。

www.sportsanzen.org

公益財団法人スポーツ安全協会の提供する損害保険で、スポーツ以外でも各種ボランティア活動などにおける事故に備えることが出来ます。事故・保険金請求に関する問合せ窓口は、東京海上日動火災保険(株)(オリンピック・パラリンピックのゴールド―パートナー)です。ドライビングサポーターがお世話になる自動車保険東京海上日動火災保険ですから、保険関係はすべてこの会社が担当しているようですね。

スポーツ安全保険の概要

この保険は活動中および自宅からの往復中での損害を補償してくれます。加入区分が不明ではありますが、オリンピックボランティアの対象年齢を考えると、おそらくA2区分でしょう。この場合、掛金は1人当たり年間800円です。ボランティアが払っている訳ではないですが、割と安いです。

加入区分、掛金、補償額(一般の団体) | 公益財団法人スポーツ安全協会

 

具体的な補償内容は

  • 傷害保険
  • 賠償責任保険
  • 突然死葬祭費用保険

です。ひとつずつ解説します。

傷害保険

活動中および自宅からの往復中における傷害による死亡・後遺障害・入院・手術・通院があった場合に保険金が支払われます。急激で偶然の事故・疾病(熱中症やウィルス性食中毒など)に対応します。ただし、いずれも事故の日を含めて180日以内が補償の対象です。

保険金額は、

死亡 2,000万円  後遺障害(最高) 3,000万円  入院 4,000円 

通院 1,500円

です。入院と通院に関してはやや少ないと感じる人もいるかも知れませんね。

保険料が支払われない例については、目を通しておく必要があります。

  1. 次のような事由により生じた傷害
  • 被保険者や保険金受取人の故意または重大な過失
  • 被保険者の自殺行為、犯罪行為、闘争行為、無資格運転、酒気帯び運転
  • 被保険者の脳疾患、疾病(心臓疾患を含む。)、心神喪失
  • 被保険者の妊娠、出産、流産。外科的手術その他の医療処置(保険金が支払われるケガを治療する場合を除く。)
  • 地震、噴火、津波、戦争その他の変乱(テロ行為によるケガは対象となります。)、放射能汚染など
  1. むちうち症、腰痛などで、医学的他覚所見のないもの
  2. 次のものは傷害には含まれず、保険金が支払われません。
  • 急性心不全、脳内出血などの突然死(突然死葬祭費用保険の対象となります。)
  • 野球肩、野球肘、テニス肘疲労骨折、関節ねずみ、タナ障害、オスグット病、椎間板ヘルニア、靴ずれ、その他急激・偶然・外来の要件を満たさないスポーツ特有の障害
  • 成長痛、加齢に伴うもの(変形性膝関節症、変形性腰椎症、腰椎分離症など) など
  1. 他の身体の障害または疾病の影響
    ケガを被ったとき既に存在していたケガや病気の影響により、ケガの程度が加重された場合は、支払われる保険金が削減されることがあります。
  2. 日本国外での事故および補償期間外に発生した事故

など
引用:https://www.sportsanzen.org/hoken/syougai.html

むちうち症や腰痛は対象外です。そのほか、急激で偶然と判定されない傷害も不可です。やはり適用は活動中および自宅からの往復中にけがをした場合などに限られますね。往復中のけがは結構ありうるのではないかと思いますが、もし往路で骨折レベルのけがをした場合は、ボランティア活動はまず無理になりますね。

賠償責任保険

自分が加害者となったときに、被害者に支払うお金を補償します。
アパートや持ち家を所有している人は火災保険に入っていると思います。また、自転車保険などに入っている人もいると思います。これらの保険には個人賠償責任保険が付帯されていることが多いのですが、この個人賠償責任保険のことです。

自身の過失に応じた賠償金を保険がカバーしてくれます。示談などに要した弁護士費用もカバーされます。

突然死葬祭費用保険

突然死した場合で、被保険者の親族が通夜などの葬祭を行った場合、その費用について補償します。

被保険者が日本国内において団体での活動中および往復中突然死(※)した場合で、被保険者の親族が葬祭費用を負担したときに対象となります。

※突然死とは、急性心不全等の心・血管疾患や肺血栓塞栓症等の呼吸器疾患、脳内出血等の脳血管疾患等を死因とし、下記のいずれかに該当する死亡をいいます。

  • 団体での活動中および往復中の死亡
  • 団体での活動中および往復中に顕著な体調変化が確認(注1)され、そのときから24時間以内の死亡(注2)。ただし、その顕著な体調変化に関係がある死亡に限ります。

(注1)被保険者以外の第三者により確認されたものに限ります。

(注2)顕著な体調変化の時から24時間経過時点で延命または集中治療を行っていた場合での180日以内の死亡を含みます。
引用:突然死葬祭費用保険 | 公益財団法人スポーツ安全協会

この場合の葬祭は、通夜だけでなく、香典返し、初七日、四十九日なども含み、幅広いです(税法上、葬式費用で債務控除されるのは通夜・告別式など葬儀会社に支払う費用などに限られるます)。

家族に保険の存在を知らせておく

保険に加入していることを家族に知らせておいた方が良いです。自分だけ知っていても死んでしまってはもらえませんので。

追加で任意保険に入る必要はあるか?

スポーツ安全保険は結構手厚い補償ですので、追加の任意保険は不要かも知れません。地元東京圏から参加の人は不要かも知れませんね。地元から遠い人や、長い期間の宿泊を伴う人は、ネット保険あたりで国内旅行傷害保険に入っておくと安心かも知れませんね。

終わりに

オリンピックボランティアの加入する保険について解説しました。

スポーツ安全保険は4人以上であれば加入できますし、実は子供でも加入可能です。オリンピックボランティアに限らず、各種活動で使えますので、家族で何かやるときにも入っておくと安心感が増すかも知れませんね。もちろん、スポーツ安全保険に類似する少額短期保険はたくさんありますので、安くて補償が厚い保険を選ぶのも楽しいかも知れませんね。

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