この記事は中学生・高校生・高専生向けに、海外研修旅行での支払いにはVISAデビットカードがお勧めである理由を説明します。
- 海外では、皆さんはお金を所持している外国人に見える
- 昔の海外旅行者がお金を持ち歩くために使ったモノ:トラベラーズチェック
- カードがいろいろ・支払い方法もいろいろ
- クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードそれぞれの違い
- まとめ:海外研修旅行での支払いに最適なカードはVISAデビットカード
- VISAデビットカードを選ぶ際の注意点
- 中高生・高専生がもてるおもなVISAデビットカード一覧
- 海外でかかる手数料の比較
- まとめ
海外では、皆さんはお金を所持している外国人に見える
日本ではごく普通の人に見える皆さんですが、日本人が少ない国や地域に行くと非常に目立ちます。また、皆さんは海外では外国人であり、渡航先の人からは確実に旅行者だと分かります。旅行はある程度お金を持っていなければできないことを彼らも知っていますので、旅行者である皆さんはスリ、ひったくりの被害に遭いやすいといえます。
わたしも、昔バンコクの繁華街でお金を数万バーツすられたことがあります。
ということで、海外旅行中はお金をなるべく持ち歩かないことが大切です。
昔の海外旅行者がお金を持ち歩くために使ったモノ:トラベラーズチェック
“あまりお金を所持したくないけれども、旅行中に現金をもっている必要がある”―こういった矛盾を解決する仕組みが少し前まではありました。それがトラベラーズチェック(T/C)です。
海外渡航中に現金の盗難や亡失などを回避する手段として、T/C発行元の保証により紛失時に再発行可能な小切手として用いられる。渡航前に所要金額分のT/Cを購入し、行先国で額面の現金として支払う。所定の手続を踏んでおけば紛失や盗難などの亡失時にリファンド(再発行)される。
※トラベラーズチェック - Wikipedia
T/Cは、現金と違って、それ自体を盗難や紛失により失っても再発行できます。T/Cは正確にはお金ではなく、小切手というお金の代わりができるもの(有価証券)だからです。このため、“旅行には必ず持っていくもの”として「地球の歩き方」などには必ず記述されていました。
このT/Cは、日本では2014年に売られなくなりました。ですが、有価証券ゆえ今でも換金は可能となっています。
※トラベラーズチェックは、今さら換金できるの?買取してもらえるの?
なぜT/Cは売られなくなったのか?それは、世界的な金融決済ネットワークが我々個人も使えるようになり、T/Cの便利な機能を含みつつ、さらに安全で便利な支払方法ができたからです。
それが、後述するデビットカードです。
カードがいろいろ・支払い方法もいろいろ
これらのカード①~⑤は私の財布に入っていたカードです。これらを見ながら支払い手段やカードについて勉強しましょう。
国際ブランド
親などの財布に入っていて見たことのあるマークがあると思います。①~③のカード券面にある「JCB」「VISA」「mastercard」というものです。これらは国際ブランドと言います。VISAが最も規模が大きく、使えるお店が多いアメリカの国際ブランドであり、JCBは日本の会社による国際ブランドです。
カードを使ってお金を払うときに一番気にしなければならないのは、これらのマークがお店のレジのところにあるかどうかです。
VISAとmastercardは使える店が多く、殆ど世界どこでも使えます。一方のJCBは日本国内や日本人がよく行く渡航先(ハワイなど)は使える店が多いものの依然限定的であり、海外旅行ではあまり活躍できません。もっと頑張ってほしいものですね。
皆さんの海外旅行先は必ずしもハワイに限らないと思いますので、皆さんが海外研修や海外旅行にもっていくカードの国際ブランドはVISAかmastercardにするのが良いでしょう。
カードと支払い方法の違い
①~⑥のカードについて、支払い方法がいくつかに分類できるのですが、分かりますか?正解は
です。国際ブランドが描いてある①~③はクレジットカードです。①は楽天カードという会社が発行している「楽天カード」、②は三菱UFJニコスという会社が発行している「KKRメンバーズカードVISA」、③はワイジェイカードという会社が発行している「ヤフーカード」です。④は国際ブランドのVISAマークがありますが、楽天銀行という会社が発行している「楽天銀行デビットカード(VISA)」というデビットカードです。最後の⑤はPASMOという、SuicaやICOCAと同じ支払い方法ができるプリペイドカードです。
クレジット・デビット・プリペイドとありますが、それぞれ支払い方法が全く違います。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードそれぞれの違い
クレジット・デビット・プリペイドそれぞれの支払い方法の違いを勉強しましょう。
クレジットカード
まずはクレジットという言葉を知る必要があります。
クレジットカードは、カードそのものにお金が入っている訳ではありません。それなのにお金を払うことができます。どうやっているのでしょうか。
実は、クレジットカードは、もっている人の「信用」を基にお金をカード会社(イシュア―と言います)から借りて支払う方法を取っています。つまり、クレジットカードで支払う方法とは、借金をして払う方法なのです。
クレジットは英語でCreditと書き、「信用」などと訳します。クレジットカードを作る際、必ず必要なのが「審査」です。審査の際、カードを作りたい人は「年収」「家族構成」「住んでいる住宅が持ち家か賃貸か」など、支払い能力を問われます。発行会社から支払い能力があると判定されれば、カードが発行されるということになります。
支払い能力や、実際に支払ってきた額を基にして、いくらだけクレジットカードで支払いができるかという「与信枠」が決められます。一般に与信枠が多い人ほど支払い能力が高く、金融機関からの信用能力も高いと言えます。
より詳しい解説はこちらをどうぞ。
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201211_01.pdf
クレジットカードでは、クレジットで支払った金額を「一括払い」で期限内に支払った場合に限り、手数料が掛かりません。お金が手元にない場合でも、この場合ならば現金で払った時と同じだけの支払いで済みます。
しかしながら、「分割払い」や「リボ払い」をすると、カード発行会社に長く借金をすることになりますので、カード発行会社に金利が上乗せされた金額を支払わなければなりません。
- 分割払い:購入商品100万円を5回払いの場合、1回の支払いを20万円+利息分になる
- リボ払い:購入商品100万円をリボ(4万円設定)で支払うと、4万円+利息分になる
自分の月収や貯蓄をはるかに超える金額の買い物でも、分割払いやリボ払いを使うと支払うことができます。しかしながら、それはあくまでも借金であり、かつ、利息が乗りますので一括払いのときよりも高額になりますので損です(クレジット発行会社にとっては上客ということになります)。したがって、分割払いやリボ払いはなるべくしないのが良く、する場合は返済計画をしっかり検討しなければなりません。
デビットカード
デビットカードで支払いをすると、支払った瞬間に自分の預金口座からお金が引き落とされてお店に送金されます。クレジットカードのように借金して買い物をすることにはなりません。ということは、自分の預金口座にあるお金の金額を超える買い物にはデビットカードは使えないということになります。
したがって、デビットカードはクレジットカードのような審査が不要です。ゆえに、デビットカードはおおむね預金口座を開設できる未成年(高校生位)からもつことができます。
以上から、デビットカードのメリットは
- 使いすぎても最悪借金にはならない
- 盗難に遭っても口座のお金以上に使われない
- 現金を持ち歩かなくても良い
などあり、T/Cの“正統後継者”のような位置づけです。
なお、国内のカード発行会社が発行しているデビットカードはVISAとJCBが多く、mastercardはほとんどない状況です。
プリペイドカード
Suica、ICOCAや楽天Edyなどはプリペイドカードといいます。予めカードにお金をチャージしておき、その金額分だけ使えます。
プリペイドカードはSuicaでも楽天EdyでもiDでも国内のみ有効ですが、国際ブランドを用いたVISAプリペイドなどは海外でももちろん使えます。
まとめ:海外研修旅行での支払いに最適なカードはVISAデビットカード
ここまでのことをまとめると、
- クレジットカードは審査ありのため無収入者は手に入れられない
- クレジットカードは借金をして買うため、盗難・紛失時が怖い
- 国際ブランドはJCBよりも世界中まんべんなく使えるVISAかmastercardが良い
- プリペイドカードは無審査で手に入るが、金額が限られているために予想外のトラブルがあったときに対応できない可能性がある
- デビットカードは無審査で手に入り、預金口座に余裕のある額を預金しておけば旅行中も安心。もし預金が枯渇しそうであればSNSなどを通じて保護者に日本国内で預金してもられば良い
ということで、海外研修旅行にはVISAデビットカードが最適な選択肢であるといえます。
VISAデビットカードを選ぶ際の注意点
VISAデビットカードを選ぶ際の注意点は以下のようなものです。
- 自分の年齢で未成年口座を作れる金融機関であること
- その金融機関でVISAデビットカードを発行していること
さらに、
- 金融機関の使いやすさ:預金しやすい銀行などが良い
- カードの補償内容:盗難や紛失した時の対応が充実しているか
- 海外のATMでお金を現地通貨でおろせること。
- 手数料がなるべく安いこと
手数料は支払い時の取引手数料、為替手数料、ATM利用手数料などがあります
などを検討する必要があります。
VISA公式サイトにも活用法が記載されています。「マンガでわかるVisaデビット」など若者が活用するために分かりやすく作られています。
中高生・高専生がもてるおもなVISAデビットカード一覧
各社いずれも留学や海外旅行での利用を想定して、若者向けのWebページになっています。
三菱UFJ銀行:15歳以上(高校生以上)
三菱UFJ-VISAデビット | 三菱UFJ銀行
支店がたくさんある都市銀行なので、店頭で作りやすいです。
ソニー銀行:15歳以上(高校生以上)
対象となる外貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナの10通貨です。海外でのご利用は、ソニー銀行の外貨預金口座から引き落としとなるので、無駄な手数料がかかりません。
未成年者のかたの海外利用| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit - ソニー銀行
ソニー銀行はネット銀行です。外貨預金口座も同時に開設でき、手数料を抑制することが出来ます。
楽天銀行(16歳以上)
16歳以上なら誰でも、審査なしで持てるVisaデビットカード! 楽天銀行デビットカード | 楽天銀行
楽天ポイントが利用額に対して1%貯まります。これはクレジットカードの楽天カードと同額です。
ゆうちょ銀行(12歳以上)
Visaデビットカード・プリペイドカード(mijica)−ゆうちょ銀行
店頭申し込みできる店舗は限られますが、ネットで申し込み可能です。
親がmijicaを作れば子供のmijicaへ手数料無料で送金することができます(「おくってmijica」)。
セゾンカードでおなじみの永久不滅ポイントが貯まります。
中学生から作れるVisaデビットカードはこれだけのようです(令和元年7月現在)。
なお、ゆうちょ口座は未成年でも作れます。0歳児でも作れます。
海外でかかる手数料の比較
デビットカード | 海外デビット利用時の手数料 | 海外ATM出金手数料 |
三菱UFJ-VISAデビット | 為替レート+3.0% | 108円(税込) |
ソニー銀行デビットカード | 無料 | 1.76% |
為替レート+1.76%(外貨口座に残高なしおよび外貨口座なし) | 216円(外貨預金口座なしの場合) | |
楽天銀行デビットカード(Visa) | 為替レート+3.024% | 無料 |
ゆうちょmijica | 為替レート+4.00% |
54円(税込) |
各社それぞれ手数料に差異があります。海外ではATMでたびたびおろすような使い方や、デビット決済に比重を置く人など、それぞれ使い方に合うVISAデビットカードを選ぶと良いでしょう。手数料に重きを置くならば、ソニー銀行デビットカードが一歩抜きんでていると言えるでしょう。
まとめ
高専生・高校生・中学生の海外研修旅行ではVISAデビットカードが有効である理由を、クレジットカードやプリペイドカードと比較しながら紹介しました。
- 国内で作りやすく、簡単にお金を口座に入れられやすいデビットカード
→ゆうちょmijica、三菱UFJデビット - 12歳以上で作れる
→ゆうちょmijica - 楽天ポイントが貯められる
→楽天銀行VISAデビットカード - 海外手数料が安い
→ソニー銀行VISAデビット
と、好みで選ぶと良いでしょう。
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