どの親も、子供達にはお金の使い方を正しく学んで欲しいと願っていると思います。
「節約術」はたくさんありますが、個々の節約術を学ぶよりも、節約の考え方を学ぶことの方が節約につながると考えています。
そこで本稿では、節約の考え方の一つとして、物・サービスの対価に自分の満足レベルを当てはめることを考えます。
例:東京ー大阪間の移動に掛かるコストの例
東京ー大阪間を移動する人は多いため、非常に多くの交通手段があり、事業者は互いに競争しあっています。日本の交通で最も資本主義に晒されている区間ですね。ここを移動するのに、飛行機、新幹線、高速バスの3つを考えます。
それぞれの手段は「値段」「移動に掛かる時間」「快適性」をパラメータとして考えると、明確に区別できます。
なるべく早く帰りたい人は高くても飛行機を使いますね。ゆったり乗りたい人は新幹線を選ぶかも知れません。ただし、新幹線の方が少し時間が掛かります。大多数の人は新幹線を選択するのではないでしょうか。
急ぎではなく、多少つらくても構わない人は、高速バスを使うとお金が掛からず済みます。高速バスの中でも、快適なボックスシートから4列シートまで様々なサービスが展開されていますので一概には言えませんが、概ね新幹線より安いです。
考え方まとめ
あらゆる物やサービスは、その物の原価に付加価値やサービス内容が織り込まれて価格が決められています。
その物やサービスの値段は、消費者のうち、「大多数の平均的な人々」が感じる「満足できるレベル」と「許容できる手間」のバランスの結果決まっているといえます。
上記の例では、「満足できるレベル」と「許容できる手間」のバランスが取れている、つまり、そこそこ早く移動できてシートが快適で席が確保しやすい(大量輸送が可能な)新幹線が平均的な移動手段ということになります。
節約ができる人の考え方 まとめ
節約できる人は、以下の2点を満たしている人です。
- 複数のサービスから自分の「満足できるレベル」と「許容できる手間」を照らし合わせて、最も妥当な手段を選択できる
- 「満足できるレベル」が平均的な人々よりも低く、「許容できる手間」のレベルが高い
節約できる人は、「手間」と「満足できるレベル」を買う物や使うサービス毎に照らし合わせて、自分が納得してお金を使える人です。
逆に節約できない人は、「何となく」買う人や「他の人がそうしているから」使う人です。このような人は、買い物の前に価格対効果を検討することなく衝動的に買うため、「大多数の人が満足する」サービスを無批判に使うことになり、結果的に「損」をします。
例えば、“急ぎではない人”や“多少つらくても構わない”人であって、その他のニーズ(例えば、「景色を楽しみたい」など)がない人が飛行機や新幹線を選択するのは、節約できる選択とはいえません。“速達性”や“快適性”という価値にお金を払っているにも拘わらず、それらの価値観に重要性を見出していない訳ですから。