自立を願う父さんのお金教育

小学生・就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

高齢父が証券マンや銀行マンのカモになって勧められるがままに株・投資信託を買って損している状況を改善することを考える

70歳近い父は、2017年から2019年現在まで、銀行や証券会社の窓口で勧められるがままに投資信託や株を買って、大幅に損失を出しています。これを止めさせて他の投資に切り替えてもらいたいと思っています。本稿では、いかに銀行や証券会社の窓口で買うとムダなコストが掛かるか、そして、勧められる商品が高コストかを考えます。

現状把握:父が行っている投資の概要

投資思想

「俺は儲かればいいんだ」
シンプルで清々しいです。リターンは高ければ高いほど良いのだと思っています。
投資信託や個別株の調査・研究などを行ってはいないようです。

購入場所

  • 大手証券(○和証券やMUFG某スタンレー証券)の窓口で購入。担当者あり。
  • 横○銀行の窓口で購入。担当者あり。

投資商品(損失を出している主なもの)

投資信託
個別株
  • アリババ(米国、ティッカー:BABA)
  • アルファベット(米国、ティッカー:GOOGL)
  • エヌビディア(米国、ティッカー:NVDA)
  • ビザ(米国、ティッカー:V)
  • E・Jホールディングス(日本、2153)
  • ソフトバンク(日本、9434)
父の投資の問題点
  • 口座管理手数料が掛かること
    例えば○和証券は年間あたり口座管理手数料が掛かります。
    コストは国内株式で1620円、外国株式で3240円です。1年あたりで外国株式口座の場合、10年持っていれば32,400円のコストです

    証券総合サービス | ダイワの特長・サービス | 大和証券

    MUFG某スタンレー銀行の口座管理手数料は無料のようです。

  • 窓口で買っていること
    投資信託を窓口で購入する場合、証券会社であっても銀行であっても、買付手数料はどの大手証券会社でも銀行でも概ね購入金額の3.24%が掛かります。
    100万分購入で32400円。400万円購入で129,600円の損失です。リターンを上げる前に、これだけのコストが掛かります。

    外国株式の場合も、売買の度に2~3%のコストが掛かります。100万円分購入と売却で60,000円。400万円分購入と売却で240,000円の損失です。

  • 投資信託がテーマ型のアクティブファンドであるために高コストであること
    アクティブファンドは銘柄選定コスト(ファンドマネジャーへの報酬など)などのため一般的にパッシブファンドよりも信託報酬が高く、低いパフォーマンスになりがちです。
    信託報酬1.9%だと、実質コストは2%を超えます。
    100万円分購入で1年当たり2万円。400万円分購入で8万円の損失です。持っているだけで掛かるお金です。含み損であっても関係ありません。
  • 償還日が設定されていること
    複利で殖えていくのが投資信託の良い所ですが、その良い所を消してしまっています。株や投資信託は上がるまでもっているのが基本なので、償還日が設定されていて粘れない投資信託に買う価値は見出せません。

以上のことから明らかですが、商品を買った時点で購入金額の3%程度、年2%、おまけに口座管理手数料が掛かります。

コスト例

MUFG某スタンレー証券で400万円分のGロボ年2購入の場合

  • 口座管理手数料 0円
  • 購入時手数料 129,600円
  • 売却時手数料(信託財産留保額) 0円
  • 信託報酬分コスト(年額) 約80,000円

○和証券で100万円分のアリババ、200万円分のグーグル、100万円分のエヌビディア、100万円分のビザ(合計500万円)を購入する場合

  • 口座管理手数料 3,240円
  • 購入時手数料 150,000円
  • 売却時手数料(信託財産留保額) 150,000円
  • 運用コスト(年額) 0円

横○銀行で100万円分のひふみプラスを購入する場合

  • 口座管理手数料 0円
  • 購入時手数料 32,400円
  • 売却時手数料(信託財産留保額) 0円
  • 運用コスト(年額) 約10,000円

合計金額1000万円の投資において、売買に掛かるコストだけでもざっくりと47万円を超えます。この47万円は収益とは完全に無関係なコストです。

 以上から、大手証券会社や銀行の窓口で売買すると、手数料が馬鹿みたいに掛かっていることが分かります。大手証券会社や銀行は、このような手数料ビジネスで莫大なお金を顧客から奪っています。窓口の人間は笑顔で「良い商品がありますよ」などと言って勧誘しますが、内心はカモとしか思っていないでしょう。窓口の証券マンや銀行マンは金を持っている無知な高齢者に付け込むクソみたいな職業人だと思います

父はそのような人達の扶養義務があるのでしょうか?もちろんありません。なので、それだけコストが掛かっていることを肝に銘じて欲しいのです。

短期間投資の場合、株式市場が好況でなければ儲けるのは難しいです。父の場合、2017年はぬるま湯相場でそこそこ利益を上げましたが、調子に乗って、2018年の米中貿易摩擦の直前に多額の投資を開始したために損失が膨らんだのだと思います。

父の投資の良い所(一応フォローのつもり)

  • リスク資産と無リスク資産に分けて、リスク資産のみで運用していること
    →最悪株価0になってもリスク資産を失うだけなので、生活はできます。また、2019年現時点で「株はもうやらない」と明言しています。
  • 株・投資信託現物取引のみで運用していること
    信用取引証拠金取引はしていないので、過大な損失を被ることがありません。
  • 銀行とのフェイス・トゥ・フェイスの取引を重要視していること
    →本当に良い商品を教えてもらえる可能性もあります。また、IPOで優先的に株を回してもらえることがあるようです。

解決策

新規の購入からはネット証券へ移行してもらう

実は父は、マネックス証券の口座も保有しています。マネックス証券は私は、ネット証券大手で手数料も最安値レベルです。

  • 口座管理手数料 0円
  • 売買手数料
    投資信託はノーロードの場合0円
    米国株は約定代金の0.45%(5ドル)~上限20ドル

マネックス証券の口座を持っている父が、なぜMUFG某スタンレー証券や○和証券で取引を行っているのか。おそらく証券会社や銀行との「付き合い」ということなのでしょうが、本当に疑問です。

すでに買ってしまった商品は売るのにもコストが掛かってしまいますので、新規の購入からはマネックス証券に移行することを勧めます

すでに買ってしまった商品は保有コスト・チャート・償還日で総合的に判断する

すでに買ってしまった商品については、保有コスト(信託報酬などの実質コスト)・チャートと償還日で総合的に判断するしかありません。

日本株・米国株の場合

株の年間あたり保有コストはありません。したがって、年間あたりの口座管理手数料と売却時の手数料2~3%を覚悟しつつ、塩漬けしてしょぼい配当金をもらいながら売るタイミングを待ちます。○和証券の口座管理手数料3,240円が気になりますが、致し方ないところです。

アリババ、アルファベットやビザは米中貿易戦争が終わったら騰がる可能性があると思いますが、ビットコインバブル崩壊で最高値から半値程度まで下落したエヌビディアは相当長期的に見ないといけないと思います。

投資信託の場合

Gロボ年2もダイワIoTも信託報酬2%程度であり、流石に法外としか言いようがありません。しかも、償還日が5年以内に迫っており、長期投資は不可能です。また、父はすでに含み損を抱えている状態です。以上から、思い切って低コストインデックスファンドに買い換えて長く保有することを勧めます。

父は「儲かれば良い」人なので、リターンのためには寧ろリスクを取りたがります。ただ、昨今の世界的な景気減速懸念、米中貿易戦争で地合いは悪いので、長期的に保有できそうで騰がりそうな先進国株式インデックスファンドの中で、最安値の信託報酬(0.11772%)を誇るeMAXIS Slim先進国株式インデックスおよび日経平均とチャート比較をします。

Gロボ年2

6ヶ月チャート(青がGロボ年2、赤が先進国株式インデックス、緑が日経平均

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1年チャート(青がGロボ年2、赤が先進国株式インデックス、緑が日経平均

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出典:グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2)【02312158】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンス

Gロボ年2は国内株・米国株などのロボティクス関係の株式を集めたアクティブファンドですが、見事に先進国株式インデックスの収益に対して劣後しています。6ヶ月でも2年でも同様ですが、2年間でのリターンの差は10%と見過ごせません。Gロボ年2の場合、1年あたりで2%程度の信託報酬コストがありますので、2年間で4%が必ず劣後します。持っているだけで損な投資信託であるといえます。

ひふみプラス

6ヶ月チャート(青がひふみ、赤が先進国株式インデックス、緑がTOPIX

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1年チャート(青がひふみ、赤が先進国株式インデックス、緑がTOPIX

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2年チャート(青がひふみ、赤が先進国株式インデックス、緑がTOPIX

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出典:ひふみプラス【9C311125】:チャート/投資信託 - Yahoo!ファイナンス

ひふみプラスは元々東証マザーズJASDAQなどの中小型株を多く集めたファンドで、TOPIXに対する収益率の高さをウリにしていますが、チャートからは、TOPIXに対して2年間では勝ち、1年間ではほぼ互角、6ヶ月間ではなんと3%ほど劣後しています。

TOPIXよりも先進国株式インデックスの方がパフォーマンスが高いので、やはり乗り換えるのであれば先進国株式インデックスが適当なのではないかと思います。

まとめ

高齢な父にとっては、数十年レベルの長期投資で収益を上げるというのは難しくなってきます。投資のノウハウがない父は、地合の良い相場でしか高い収益を得られません。そういう意味では、思い切ってどこかのタイミングで損出しして「新規投資はしない」という姿勢も重要なのかなと思います。

父の資産は、母と二人三脚で生活を営み、父が汗水たらして稼いだものですから、やはりムダにせず、自分達の人生を豊かにするために使って欲しいという思いが強いです。

そういう意味で、息子としては、まずは死ぬまで母と健康的に過ごしてもらえればOKであり、その上で、あわよくば少しでも多くのお金を遺してもらいたいという気持ちです。

 

参考文献です。

著者はガチガチの低コストインデックスファンド投資評論家です。この本は“やってはいけない”資産運用が列挙されており、父がやっている窓口購入や高コストアクティブファンド ももちろん入っています。1000円程度で非常に良質な情報が得られます。ただ、すでに“やってはいけない”資産運用をしている人の見直しには言及されていません。そこは投資評論家の枠外なので仕方がないことなのかなとも思います。

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