自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

国立高専教職員は育休を取ることができるか?待遇はどのようなものか?私の場合を紹介します

高専は大学と高校が合体している不思議な学校ですが、働いている教職員は大学や高校の教員よりもずっと少ないため、謎であると思います。育休を取ることができるのか、また待遇はどうなっているか、高専関係者以外は殆ど知らないのではないでしょうか。

そこで、本稿では高専教員の休暇と待遇を紹介したいと思います。大学・高専・高校教員になりたい人や大学・高専の事務・技術職員になりたい人は参考になるかも知れません。なお、あくまで私の認識によるものであり、他の高専や人には当てはまらないかも知れないことを予めご了承ください。

休暇

基本:高専教員の就業規則・労働時間,休暇等に関する規則

独立行政法人国立高等専門学校機構 教職員就業規則

独立行政法人国立高等専門学校機構 教職員の労働時間,休暇等に関する規則

以上は常勤教職員についての規則です。

有期雇用職員や非常勤職員などの就業規則

就業規則等

をご覧ください。

高専教員の育児・介護についての取り決め

高専機構が策定している「育児・介護の支援ガイドブック」というものがあります。https://www.ichinoseki.ac.jp/about/pdf/guidebook.pdf

表になっているので、こちらの方が分かりやすいです。

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教職員は性別にかかわらず産前・育児休暇が取得できます。原理的には、男性も当然取得できるようになっています。

実際のところはどうか

実際のところの難易度は、

難 技術職員≧教員>事務職員 易

だと思います。実際的には、女性職員以外は結構難しいかも知れません。何故かということを教職員別に見ていきます。

事務職員の場合

事務職員の業務は、係員であれば有期雇用の職員で替えが利きますので、産休・育休は問題なく取れます。実際、女性の事務職員で育休を1年以上取られる方も散見されます。

男性の事務職員で育休を取られる方はあまり見ませんが、女性職員と同様、係員ならば比較的取りやすいのではないかと思います。

教員・技術職員の場合

教員や技術職員は授業があります。授業は、教員は自分の担当授業(一人で行うことが多い)や実験実習(他教員・技術職員と複数人で行う)などがあります。技術職員は教員の授業の技術的補佐および実験実習となります。

教員も技術職員も、自分が教えている科目を教えられる教員・技術職員が他にいれば代打可能です。しかしながら、代打してくれる人が一人の場合、自分の受け持ち分の時限数を丸ごと引き受けるのは不可能といえますので、複数人で受け持つことになります。

複数人で受け持つというのは、亡くなった、ということや緊急入院した、などの非常事態のみとなりますので、実際的には長期休業は難しいと言えます。

教員の場合、授業を休講にするのは、「補講で行う」「課題で措置する」など駆使しても3週間分の休暇が限界だと思います。

ということで、育休は非常に難しいと言えます。

ただし、教員の場合、自分の担当科目を休講にすることができれば、子供が体調不良で看病が必要などというときにスポット的に休むことはできます。ただし、休講として曜日変更するだけなので、結局先延ばししているだけとなります。また、部活指導を熱心にしている教員は休むのはほぼ困難といえます。

教員の中では例外的に、英語などの一般科目教員は育休を取りやすいかなと思います。例えば英語を担当できる非常勤講師は地方でも結構います。英語の修士号をもつ人または英語話者で個人経営の教室を開いているような人です。このような人たちに非常勤として代打に入ってもらえば、英語の常勤教員は育休に入れます。

 

技術職員がおそらく一番難しい

何故かというと、技術職員の授業は殆ど教員を含めた複数人で行うためです。自分の替えが利かないだけではなく、他の人と行う授業のため、休講にすることもできません。したがって、若い女性で出産予定のある人は、技術職員はまったくお勧めできません。

男性教員の取れる休暇は?

私の場合は、配偶者の出産休暇を取得しました。これは2日~3日間ほど取得できます。妻の出産立ち合いや役所への出生届提出などのために活用できました。

私が使ったのはそれだけですね。制度的には充実していますが、実際に取得できるかというとかなり難しいということですね。特に、休暇が長ければ長いほど難しくなります。

育休なんてもってのほかで、育児短時間労働でさえも厳しいです。容赦なく会議が夕方に入りますし、卒研指導やとめどなくあふれる雑多な業務をこなすには、フルタイムは必須で、フルタイムだけでは足りませんので早朝に仕事をしたりしています。

というか、土日もなるべく研究室に来て仕事しているんですけどね…。

 介護休暇も育児休暇と同様に、実際的には殆ど取れないと考えております。両親にはボケないように、体を大事にするようにと会うたびに伝えています(笑)。

高専教職員の休暇

高専教職員の休暇は、学校側が原案を作成し、組合との労使協定の末に確定します。休暇規則で定められた日数分の休暇が得られます。原則的には。

年次有給休暇

学生の夏季休業中には、お盆休みとして3日間の特別休暇があります。これは年次有給休暇に含まれません。年末年始・春季休業中にはこういった特別休暇はありません。

普段の土日祝の休暇はどうなるのか?

高専教員は、土日祝でも部活動の指導、部活動(高専大会、県大会、インターハイ、国体など)や学生コンテストの引率、出前授業や公開講座のため、平気で潰れます。暖かい時期は本当に休めません。

時間外労働の扱いはどうなるのか?

時間外労働は、休日出勤および勤務日の就業時間前後の労働のことです。これらは学校側と組合との間の労使協定によって取り決めがなされています。

休日出勤は、

  • 勤務日との振替
  • 代休取得
  • 超過勤務処理

の3つが私のところでは認められています。これら3つの手続きは、事務がしてくれる場合もありますし、自分がする場合もあります。部活などは自分でします。しなければ取得することはできません。

振替は、勤務日と休日を入れ替えることによって平日を休みにします。ただし、すでに書いたように、教員と技術職員は結構厳しいです。

代休は、代休簿に休日の実働時間数を書くと、約2か月後まで1時間単位で休暇として消化できます。消化できなかった分は時間外労働扱いになるようです。

超過勤務処理は、休日出勤の時間数分だけ時間外労働扱いになります。休暇にはならないので、一番シンプルです。

通常、振替と代休が事務からはアナウンスされますが、超過勤務も当然に認められています。

問題は平日の就業時間以外の労働です。

我々教員は学生指導や研究などで終業時刻の17時を超えることは常です。また、私のように朝早くから授業準備を行うこともままあります。これらは、時間外労働になるのか?ということが問題となります。

結論としては、労使協定によって、平日の就業時間以外の労働に関しては、会議など客観的エビデンスがあるもののみ超過勤務として認められますが、それ以外は自主的に居残っているとみなされ、認められません。コンテストの指導などのために平日の深夜までいることもざらなのですが、時間外労働にはカウントされません。

ということで、平日の仕事はなるべく就業時間中に終わらせたいものですね。

なお、平日の時間外労働は通常終業時間中の125%が支給され、休日の時間外労働は135%が支給されます。

寮の宿日直に関しては、定額のお金が支給されます。平日夕方まで働いて、夕方から宿直、翌日朝から勤務というのは普通にあります。宿直でトラブルが起こると寝不足になる可能性もありますが、普段はそこまでではありません。

福利厚生

高専教員は高専機構という文部科学省管轄の一機関の職員ですので、年金保険は国家公務員と同じく共済年金保険となります。そして、国家公務員共済組合(KKR)の福利厚生が利用できます。

KKR-国家公務員共済組合連合会

例えば、KKRメンバーズカードなるものがあります。

KKRメンバーズカードのご案内 | KKRホテルズ&リゾーツ | KKR-国家公務員共済組合連合会

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これは、MUFGカードのゴールドカード(年会費1905円)相当のもので、手数料は永年無料で作れます。特典は、普通のゴールドカードと同じく、国内の空港ラウンジが使えたり、海外旅行保険が自動付帯されていたりします。

国際ブランドはVISA, MasterCard, JCBがあり、異なる国際ブランドで1枚ずつ作ることも可能なようです。

このKKRメンバーズカードが凄いのは、非常勤でも有期雇用でも何でも、KKR組合員に属したことのある人であれば無料で作れることです。

というようなカードを作ることができます。梅?と富士山のイラストが微妙に所有欲を満たしてくれます。

まとめ

高専教職員は育休を取ることができるか?という問ですが、係員の職員は取れそうです。教員と技術職員は、長期の育児休暇はまず厳しいのではないかと思います。

待遇に関しては、国家公務員時代のルールがあまり変わらずに適用されているような感じです。年金も共済年金です。

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