自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

なるべくお金を掛けずに子供の能力を最大限伸ばす方法を考える

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生産性の向上には、人的資本と物的資本の充実が必須

資本主義社会の経済成長においては生産性の向上が最も重要です。

生産性の向上のために、人類は新しい技術を絶えず開発して、現場で使っています。その新しい技術を活用するために、資本主義を生き抜く子供たちは、常に新しい技術に対応した教育を受ける必要があります。

新しい技術にはプレミアムが付くので、新しい技術に対応した教育にもまたプレミアムが付きます。また、当然新しい技術は旧い基礎的な技術の上に立っていますので、基礎的な技術をはじめに学ばせなければなりません。

基礎的な技術と新しい技術を学ばせなければならないので、子供に身に着けさせる教育は基本的に質・量ともに増加の一途を辿るはずです。

当然、教育費用も増加の一途を辿るはずです。

基礎的な・新しい知識・能力をたくさん身に付けた子供は、やがて社会で高く評価されて、生み出す価値や受け取る報酬も多くなるでしょう。そういう子供は一生を幸せに送れるはずです。

一方、知識・能力が不足してした子供は、おそらくそれなりの報酬しか得られません。

したがって、資本主義とは、長く続けば続くほど、より優秀な人にお金が集まり、そうでない人は貧するという、貧富の差が際限なく広がるシステムだと理解しています。

こういった資本主義による人材育成の弊害を補うために、公教育では常に教育の質向上を行う必要があり、実際日本政府はそうしてきています。

また、今のところ日本は物的資源に恵まれないため、世界でお金を稼ぐためには、どうしても人的資源を基本として価値を創出し続ける必要があります。

江戸時代以来教育熱心な日本は、これからも教育熱心であり続ける必要があるのです。
生まれてきたすべての子供に十分な教育を施してやる必要があるのです。

子供の教育にはお金が掛かる

子を想う親は誰しもが子供の能力を向上させたいと思うものです。幼少からピアノ、水泳、そろばん、書道、塾などに行かせてもらった人も多いのではないかと思います。

これらはお金が掛かります

なぜか。それは、教育を他人に委託するからです。親である自分が子供の能力開発の一部または全部に関与しないからです。

寝る間も惜しんでバリバリ働く人は、子供の教育を他人にアウトソーシングしている人も多いのではないかと思います。それでも良いと思います。結果的に子供に知識と能力が身に付けば何でも良いのです。

一方、お金のない親や教育の必要性を重視しない親は、子供に教育を施してやれず、結果的に子供を貧困に導いてしまいます。

教育の必要性を重視しない親は論外ですが(親への教育が必要になりますね)、お金がないけれども何らかの教育を施したい、と思っている親は何とかなるのではないか

そこで、本稿では、なるべくお金を掛けずに子供の能力を伸ばす方法を考えます。

貧困を親の代で終わらせようではありませんか。

なるべくお金を掛けないために

なるべくお金を掛けないために、親が心掛けることはいくつかあります。

  • 単に与えるのではなく、一緒にやってやる、そばにいてやる
    子供に寄り添う姿勢が何よりも重要だと考えます。寄り添う姿勢は子供に動機付けや勇気を与えます。ちょっと厳しめに叱ってもひねくれることはありません。忙しい親や無関心な親が足りないのは、こういった寄り添う姿勢だと思います。
    「『ほめて伸ばす』や『叱って伸ばす』のはどっちが良いか?」という問がありますが、その前提となる指導者と指導される人の信頼関係がしっかりあり、精神的に寄り添っていれば、どちらでも問題ないと考えます。

  • 習い事や塾は子供を学ばせるための環境であって、環境がなければ子供は学べない、ということではない
    何よりも子供にモチベーションをもたせることが大切ということです。そのために、まずは学ぶことは「楽しい」「面白い」「嬉しい」ことだと思わせることが大事ではないでしょうか。それには、親が子供と一緒に学んだり、体験したりといった回数を無数にこなし、感動を共有することが重要であると考えます。

  • 子供自身に考えさせることに重きを置く
    考えることで子供の思考力を養えます。考えることにお金は掛かりません。親は、考えるヒントを与えるファシリテーター役をすれば良いのです。ファシリテーションと言っても特別なことではありません。子供が気づかないことについて気づかせるためにヒントを出してやったり、子供の出した答えが正しいか正しくないかということを、子供の思考を汲み取ってやりながら教えてやれば良いのです。ファシリテーションは、いうなれば子供の未熟な客観性を補う役割をもっています。

  • 日常生活や身の回りのものを基にして子供に学ばせる
    子供に実際の風景を見せたり、体験させたり、写真や映像を交えて話したりすることで、子供の中でイメージが定着します。子供は、そのイメージを思い浮かべながらさらに学校で教科書を読んで勉強することになります。勉強をしているときにイメージが思い浮かぶかどうかは、例えばホワイトボードに絵を描きながら問題を解くことと同じで、思考の展開手段として重要です。
    幼稚園位から、そういったことをたくさん経験させてやりたいものですね。

    例えば料理を教えたり、プランターで植物を作らせたりといったことで、栄養学、食育や生物学的なことを学ばせることができます。

    また、地元の山に登った時にその山について話してやったり、救急車が走ってきたら救急車はなぜ走っているのか、どこに向かうのかを話したり、松ぼっくりが落ちていたら松ぼっくりについて話したりといったことが子供は何でも質問してきますので、スマホで調べながら学びを深めていけば良いと思います。

    教育学博士のアグネス・チャンさんは、「右しか曲がれないというルールを作って家に帰らせる遊び」とか、「(レンガの)ピンク色の地面しか踏まないようにして歩く遊び」など、どこでもいつでもやれる遊びを子供に教えていたとのことです。これは論理的思考を学ぶには良い方法ですね。
    あなたの子供も秀才に!? 息子3人に米・スタンフォード大を卒業させたアグネス流“子育て術” - FNN.jpプライムオンライン

    家計簿の内容について子供も巻き込んで議論するというのも面白いです。子供は家にどれだけの資産があるかということは、強い興味を抱きますが、殆どの親は積極的に話そうとしないでしょう。敢えて話すと良い刺激になると思います。

    一緒に銀行に行ってお金をおろさせたり、スーパーマーケットで支払いさせたりといった体験をさせてやるのも良いですね。親が一緒であれば、子供がやってもOKです。

    風邪をひいたら風邪の諸症状について教えるのも良いですし、治ったら手洗い、うがい、規則正しい生活など予防の仕方についても教えると良いと思います。タイミングが重要だと思います。

    初潮など第2次性徴を迎えたら、単にお祝いしてやるだけではなく、体が急激に発達して大人になること、異性の目を引き付けるようになることなど、生物学的・社会学的なことを話す良い機会となります。

  • 報道によく出てくる場所を一緒に歩く
    東京だったら、皇居を散歩したり、東京証券取引所日本銀行、国会議事堂、最高裁防衛省などの官庁などといった所は散歩にうってつけです。警官がいますので、怪しい人はまず現れません。散歩がてら、話をしましょう。Wikipedia程度の付け焼刃の知識でも、あるのとないのとでは違うのではないでしょうか。大事なのは、テレビや教科書で、子供が実際に見たものが映像や写真として出て来ることです。子供はこういったことをきっかけに興味が湧くものです。

  • 無料で入れる施設を利用する
    例えば広島の平和記念公園に行ったら何をしますか?原爆ドームの前で記念撮影をして終わりでしょうか?(中学生の頃の私はそうでした)
    例えば、予め予習として映画「この世界の片隅に」でも見せてから平和記念公園に行くというのは良い試みかと思います。
    公園内は無料で歩けます。被爆建物レストハウスも普通に入れますし、予め予約すれば当時のままの風景が残されている地下にも降りられます。
    国立広島原爆死没者追悼平和祈念館も無料で入れます。被爆アオギリについて教えてやってもいいですし、原爆の子の像の所で千羽鶴の意味について教えても良いでしょう。公園から少し歩けば爆心地の島病院もあります。
    こうして、子供に原爆についての立体的な知識を与えることができます。
    同様のことは、歴史的な史跡ならばどこでもできると思います。

  • 親がやっているボランティアに一緒に参加させる
    私の知り合いの女性は、自分が担当する地元の国際交流イベントの準備に、小学生の息子を連れてきて手伝いをさせていました。素晴らしいアイディアだと思います。なぜなら、その国際交流イベントの準備には大人しかいませんので子供には無理させませんし、子供本人にとっては良い意味で緊張感のある場となります。そのような場では、大人が考える以上に子供は緊張すると思います。それが良い刺激になると思います。
    ボランティアは元来報酬が発生しないので、親が一緒ならば大抵許されます。献血日本赤十字の募金活動も子供に意義を説明するのに良いでしょう。

    地元が開催する、外国人への日本語ボランティアなども良い刺激になるのではないかと思います。最近は技能修習生が地方にも多くやってきて、この手のボランティアは常に必要とされています。

  • 親が経験したことがあることを話す
    例えば、世界一周した経験が親にあれば、写真を交えて話をするのも良いでしょう(大抵の子供は世界一周という言葉に反応します)。特定の地域に行った時のことを話すのも良いでしょう。私は、東京オリンピックボランティアに応募していますが、これは、子供や学校の学生に話すということが目的の一つです。
    こうしたことを写真・映像など交えて話すことで、子供の中でイメージが定着します。

教育をなるべく自力で施すことの重要性・メリット

親が直接子に教育を施すことは、親にとって莫大な時間や忍耐を要することです。しかしながら、その過程で親が子供と向き合い、寄り添うことは、良いことずくめです。

  • 子供からの信頼感を得ることができる
    この信頼感は、子供の能力向上において最も重要な鍵になります。
    信頼感があってはじめて子供は親の言葉を受け入れるようになるからです。

  • 子供の能力の発達具合を知ることができる
    なんだかんだで親は子供と長い時間を共にしていますので、性格や気性が分かります。その性格や気性に応じて、どの程度の目標を子供に課すことができるかを調整することができます。

  • 子供が犯した誤り・過ちを家庭内で即座に矯正することができる
    私は小学生の頃、親の財布からお金を盗んだ経験があります。バレた瞬間に、親からは烈火のごとく叱られて、盗みが悪いことだと学びました。これが子供のクラスメイトのお金だったりしたら、被害者の子供や親に迷惑を掛けますし、子供のコミュニティにおいて子供がいじめの対象となるなど孤立しかねません。
    だから、いたずらや軽犯罪じみた悪いことは、まず家庭内で発見できると良いのではないかと思います。

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著者の加藤氏は、自分が生業としている車関連の執筆活動で身に付けた車の名前などを子供に覚えさせることで語学教育などを行い、子供を優秀に育てたとのことです。

私は、この著者が素晴らしいのは、息子の語学教育のため、自分も一緒に漢字検定を受けたり、一緒にアメリカ旅行をしていたということです。寄り添うという姿勢を、存分に子供に示してやったということです。そしてさらに素晴らしいのは、子供が「お母さんが一緒に取り組んでくれたことが励みになった」と述懐していることです。

ただし、これは彼女が執筆業をしていて、テレワークが可能であったことや母子家庭であったことで、自分の好きなように教育できる環境があったということも大きいのではないかとも思いますが。

いずれにせよ、寄り添う姿勢は子供を伸ばし、優秀に育てるための、親がやれることの手本となる例だと思います。

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