自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

インドネシアから来た、ヒジャブを着けないイスラム教徒の女子留学生から得た宗教観

ヒジャブとは

インドネシアやマレーシアのマレー系人種の女性は皆イスラム教徒なので、ヒジャブという頭に身に付ける布を着けています。

f:id:cden:20190610170152j:plain

こういうものです。
Wikipediaの「ヒジャブ」によると、

女性が婚姻関係にない男性からの陵辱から身を守るために、ヒジャブは必要である

とあり、女性の貞操を守るためにあるものです。(ということは、イスラム男性は女性の髪に欲情するということ?)
とにかく基本的に家以外では身に付けるものとされています。

ところで、インドネシアから来た女子留学生のアルダさん(仮名)はイスラム教徒なのですが、彼女はこのヒジャブを身に着けていませんでした。同じ場にマレーシア女子留学生ミンタンさん(仮名)がヒジャブを身に着けていても、です。そして、ヒジャブ未着用のアルダさんと着用のミンタンさんが仲良く話をしていました…。

この話が興味深かったので紹介します。

アルダさんがヒジャブを着けない理由

ヒジャブを着けない理由を訊いてみました。そうしたら、

  • 自分がまだ(イスラム教を)受け入れきれていないから

彼女はこうも言いました。

  • お父さんとお母さんが『(無理して着けなくても)良いんじゃない?』と言っていた

彼女が“イスラム教徒であるけれどもイスラム教を受け入れきれていない”というのは、「誰しもが大事なことほどはっきりと白黒できないもの」であり、私にとっては非常にしっくりくるものでした。

また、イスラム教は日本からすると結構戒律が厳しい宗教というイメージですが、ムスリムである彼女からしても、やはり厳しいという意識があるのかも知れません。

イスラム教が禁じる食べ物については?

イスラム教徒は豚肉の摂取を禁止しています。また、牛肉や鶏肉はハラル認証のもののみOKとされています。

ハラル認証は、イスラム教にしたがった屠殺方法を施したお肉などに与えられる認証です。具体的には、ムスリムが経典を唱えながら屠殺するというもののようです。

イスラム教は人間の糧になる動物の尊厳を守っているということですね。日本人の「いただきます」精神と根底は変わらないように思います。

さて、ミンタンさんなど普通のイスラム教徒の留学生たちは、必ずこのハラル認証の食品を食べています。

しかし、アルダさんは彼ら普通のイスラム教徒が忌避するような、アルコール成分が入っている調味料などについても、彼女は食べているとのことでした。

どうしてか?というと、やはり両親からの助言でした。

親御さんたちは、「日本で食に困ることがないよう、厳しくしなくても良いのではないか」と助言をしてくれて、彼女は「豚肉以外はハラル認証がなくても食べている」と言っていました。「日本の牛肉美味しい?」と訊いたところ、笑顔で「おいしい」と答えてくれました。

アルダさんはお酒は飲まないようにしているとも言っていました。(彼女は20歳で、日本の法律的にはアルコールOKです)また、断食(ラマダン)も普通にしていると言っていました。

なお、アルダさんは学校の寮で過ごしており、台所や食材を他のイスラム教徒留学生と共用していますので、結局多くの食事で「ハラル認証の食べ物を食べている」と言っていました。

ついでに「ハラル認証の食べ物はどこで手に入れているの?」と訊いたところ、意外にも近所のスーパーマーケットの名前が返ってきました。

これです。

ブラジル産鶏肉。2.2kgで698円です。これを日常的に食べているとのこと。

このスーパーマーケットはしれっと中国産の柿の種が売っているような、インターナショナル食材のお店なので驚くことはありませんが、ブラジル産かつ2.2kg 698円の鶏肉は流石に多くの日本人は手が出ないと思います。安すぎます(100g 32円)し南米産ですから。

イスラム教徒であっても受け入れ方は人それぞれ

母国インドネシアではヒジャブは着けていたのですか?」と訊いたところ、「着けていなかった」と言っていました。「そのことで友達とか誰かに悪口を言われたりしなかったのですか?」という質問には、「まったく言われなかった」と言っていました

アルダさんによれば、基本的にヒジャブを着けたりハラル認証されていない食べ物をたべることは「自分の心の持ちようの問題」であるとのことです。

アラブ諸国では、戒律が厳しいだけでなく法律的に禁じているようなことも、インドネシアでは比較的寛容なのだなと思いました。

なお、アルダさんはヒジャブを「大人になったら身に付ける」と言っていました。彼女は20歳ですでに大人なのですがね…(笑)。

まとめ

我々日本人は宗教について寛容です。一方で、イスラム教徒は戒律が厳しいというイメージを持っています。

しかし、アルダさんのように、イスラム教を「受け入れきれていない」ためにヒジャブを被らない人もいます。そして、そんなアルダさんは母国やヒジャブを身に付けているミンタンさんなどの留学生もまったく気にしないなど、少なくともインドネシアやマレーシアでは、イスラム教は「個人の心の問題」なのだと分かりました。

イスラム教だけでなく、宗教は個人の心のありようについて指針を与えるものなのかも知れませんね。

宗教を身近に感じない私にとっては、新鮮な話でした。

© 2010 自立を願う父さんのお金教育