自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

長期投資で新興国株式クラスをポートフォリオに組み込むべきか?インデックス投資ブロガーの意見を集約してみた

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資産運用における主要資産の1つである新興国株式ポートフォリオに入れるべきかどうかというのは、インデックス投資家にとって非常に悩ましいことです。そこで、インデックス投資ブロガーの意見を

  • 必要派
  • 不要派

で分けて集約してみました。

 なお、ここで紹介する新興国株式インデックスは概ね我が国の投資信託で採用されているMSCI Emerging MarketsとFTSE Emerging Marketsの各インデックスを指しています。

また、ブロガーさんの投資方針によっては長期・短期の程度が異なるはずですが、本稿では無視します。

必要派

より分散させるために必要だよ派

yukio0918.comこちらのブロガーさんは、バンガード社の新興国ETFであるVWOを購入されています。理由は、

  • 過去10年間程度のリターンでは米国株の方が良いが、それは逆に言うと米国株のバリュエーションは割高であるということ
  • 一方の新興国株は比較的に割安であると判断できる
  • またそれはインデックス投資の大家であるジェレミー・シーゲルも言及している

ということのようです。値下がりが続いている新興国ですが、長期目線では割安という判断で買われているようです。合理的です。

 

以前本ブログで紹介した有名ブロガーさん達のポートフォリオでは、分散投資として新興国株を組み入れている人が多数でした。 

cden.hatenablog.com概ね10%~30%が多く、最も高い人で46%でした。46%というのは、リバランスを行った結果です。つまり、「ポートフォリオの中で過去数年来先進国よりも割安を継続していた新興国をより多く買い増した結果」と言えます。将来的に新興国の指数が上がればリターンが増えます。

株価が大きく下がった時に買うよ派

www.y-strategies.comこちらのブロガーさんは、積極的に新興国に投資しているそうです。理由は「単純に株価が下落しているから」だそうです。確かに新興国市場は先進国市場ほど規模が大きくないため、資金の流出入に対する変動幅(リスク)が先進国市場よりも大きいです。また、先進国の景気が悪くなると先行して下がるのが新興国です。そのため、割安になるタイミングも先進国よりも多いといえます。

こちらのブロガーさんはそのような割安のタイミングを読みながら新興国に投資しているとのことです。また新興国ポートフォリオの一部に留めているとのことです(リスクが高いためでしょう)。合理的な投資指針であるといえます。

世界中の成長を取り込むべきだから分散投資として必要だよ派

www.churio807.comこちらのブロガーさんは、「未来において成長する地域は分からないため、ベターな選択肢として全世界株式(バンガード社のVT)に投資する」という投資指針をお持ちです。したがって、新興国株は世界株式の時価総額比で10%分を投資しているということになります。

少ない投資額で大きなリターンを得ようと思ったら、やはりある程度の「選択と集中」が必要です。

VTI+VWOというのも面白いのではないでしょうか。

一方、毎月30万円の投資ならば、VTで世界丸ごと買っておくだけでも十分に合格点の投資になるのではないでしょうか。

私が目指しているのは後者の投資ですので、VTがメインになるわけです。

VTIは全米株式(CRSP USトータル・マーケット・インデックス)、VWOは新興国株式(FTSE Emerging Markets)です。先進国で最も比率が高く、今後数十年の成長が期待できる米国と新興国の投資も「面白い」と述べられています。

ただし、こちらのブロガーさんは、暗に「新興国は世界株式の時価総額比以上(現状ではで約10%)は不要」と主張されているように思います。

リスク資産はなるべく分散して持っておいた方が良いというのは長期投資の基本です。そういった人の場合、単に新興国のインデックスファンドよりも全世界のインデックスファンドを選択する人も多いと思います。こうすれば、世界経済の時価総額比(10%程度)で新興国をもつことができ、自力でのリバランスも不要となります。

不要派

人口ボーナスは成長の罠かも知れないよ派

blog.tacos-heaven.xyzこちらのブロガーさんは、新興国株市場の雄である中国やインドの長期チャートを挙げ、そのパフォーマンスから新興国株式への投資の必要性を考察しています。またジェレミー・シーゲルの言及も論拠として示しています。本記事では、中国などの新興国

  • 人口ボーナス(人口が増えると経済成長率が高くなる)でGDPが高くなっていても、すでに株価に織り込まれているため、株価が持続的に高くなり続けるという訳ではない

ということで、分散投資としての観点でのみ新興国株投資を勧めています。10%なら持っていても良いのではないか?という消極的な必要派に留まっています。

また、

あなたがまったくの投資初心者なら、「新興国は別にいらないじゃない?」というのが、現時点での筆者の本音です。

と述べられていますので、本稿では不要派に分類させていただきました。

先進国は新興国で事業展開しているから先進国だけ買っておけばいいよ派

tawaraotoko.blog.fc2.comこちらのブロガーさんは、ほぼ先進国株一本で運用されている方です。

しかし、先進国の各企業は、自国内だけでなく新興国を含めたグローバルな地域で活動しています。先進国のグローバル企業は、新興国内で活動することによって新興国の人口ボーナスの相当部分を得ることができます。
そのため、新興国株の人口ボーナスを得るためには、なにも新興国株に直接投資する必要はなく、先進国株に投資すればよいといえます。

 とのことです。確かに、先進国企業は先行者利益を求めて新興国に投資します。日本企業がこぞって中国、インド、タイ、マレーシア、インドネシアベトナムなどのフロンティアに投資してきたことからも分かります。

逆の、新興国企業が先進国に投資するということは殆どないように思います。資本主義を長く続けて、世界の富をより多く持っているのが先進国市場なので、当然のことといえます。

したがって、先進国に投資をしておけば新興国の富も享受できる、という見方です。

こちらのブロガーさんは、新興国市場のもつ効率性の低さも問題視しています。

また、新興国の株式市場は誰もが自由にアクセスすることができませんし、新興国政府は先進国では非難の大きさから実施されない大胆な規制を事前予告なく行うこともあります。
株価が企業価値を正しく反映するためには、株式市場が完全に自由化され、全世界からのアクセスが保証されていなければなりません。なぜなら、市場の見えざる手は、株式市場における日々の自由な売買が行われなければ有効に機能しないないからです。

 結果的に、企業価値を正しく反映した株価とならない場合があることや、新興国インデックスファンドの経費率が高くなってしまうことを問題視しています。

ちなみに、現在最安クラスの同ブランドでのインデックスファンドで比較すると、

  • eMAXIS Slim 先進国株インデックス 実質コスト年率0.164%
  • eMAXIS Slim 新興国株インデックス 実質コスト年率0.335%

【2019年 最新版】「インデックスファンド」コスト比較ランキング!信託報酬・実質コストがもっとも安いファンドは?|投資信託おすすめ比較[2019]|ザイ・オンライン

と、確かに新興国の方が高いです。年0.17%は実は些細な差ではありません。20年間で3.4%も変わります。投資元本400万円で実に13万6千円もの差です。

リバランスが面倒くさいしやっぱり精神的に苦痛だよ派

多くの人のポートフォリオにおける新興国の比率は10~30%です。そして、分散投資の教科書的には、定期的なリバランスが重要です。定期的なリバランスをすると、相対的に割安となった資産をより多く買うことができます。

ただし、そのような面倒なことを10~30%のためにやりますかという話があります。定期的の中身は1年に1回だったり半年だったりするのですが、それでも面倒なことに変わりません。

コストが安いけれども面倒なポートフォリオDIYはやはり趣味的な愉しみが感じられる人が続けられるのだと思います。値上がりも値下がりも資産運用の不思議としてクールに愉しめる人ならば継続できますが、万人には勧められません。

また、値下がりが続いているインデックスをたくさん買うというのは、結構な精神的負荷になり得ます。年金基金のように皆の金であればそこまでではないでしょうが、自分の稼いだ金では、仕方がないことです。

ということで、少しコストが高くなるけれども、ファンド内で自動でリバランスをしてくれる全世界株式やバランスファンドが多くの人に支持されているのでしょう。

そもそも先進国一本に絞る人もいるようです。

新興国といっても中身は中韓への投資になってしまうからいらないよ派

中国は新興国市場における米国的なポジションを確立しています。GDPはすでに世界第2位だから先進国ではないのか?という疑問が湧きますが、中国共産党の強引な政策による為替コントロールや劣悪な市場アクセス性のために、MSCI社やFTSE社の分類では中国は新興国市場扱いです。今後も先進国市場へは上がれないかも知れませんね。

MSCI EMを買うと31%、FTSE EMを買うと33%それぞれ中国を買うことになります

次に韓国です。FTSE EMは韓国が除外されています(韓国は先進国に分類されています)が、MSCI EMでは新興国扱いです。詳しくは本ブログの記事を参考にしてみてください。

cden.hatenablog.comMSCI EMを買うと韓国を14%ほど買うことになります

中韓合計で45%も買うことになります。実に半分弱が中韓です。

 

siegeljiro.comこちらのブロガーさんの報告によると、MSCI社は中国における中国A株の組み入れ比率を現在の5%から段階的に20%までに引き上げる(中国市場は他にB株もあります)ため、新興国インデックスにおける中国の割合が最大45%まで上がることを指摘しています。

そうなったら中韓合計で50%は超えてきます。新興国株を買っているつもりが半分も中韓であるという事実は、隣国に位置する我々日本人は重く考えておかなければなりません。

なお台湾はMSCIもFTSEも組み込まれており、10%弱です。インドなどBRICs諸国の割合は、新興国では低い方なのです。

したがって、特定の新興国に投資するという方針も有効になってきます。iシェアーズMSCI ETFシリーズが充実しています。

  • ブラジル(ティッカーEWZ)
  • ロシア(EURS)
  • インド(INDA)
  • トルコ(TUR)
  • インドネシア(INDA)
  • マレーシア(EWM)
  • 南アフリカ(EZA)

まとめとブログ主の投資判断

本稿では、多くのブロガーさんの新興国の要・不要の理由をまとめてみました。

なお私自身も多くのブログで勉強した結果、以下のような新興国のメリット・デメリットを感じており、総合的に不要と判断しています。

  • 新興国の旺盛な成長を取り込める。ただし、先進国のビジネスをそのまま新興国にもっていっても成功しないことがあり、現地企業の方がやり方を知っている場合も多い
  • 新興国の人口ボーナスの効果が期待できる。ただし、その期待はすでに現状の株価に織り込まれている可能性が高い。また、新興国市場の半分弱を占める中(・韓)国は今後人口ボーナスもなくなるため、新興国市場の足かせになる可能性もある
  • 分散投資先の一つとして有意義。ただし、先進国よりも市場規模が小さくボラティリティが大きくなるため、割合は多くとも10%までに考えておきたい
  • 新興国市場の半分を占める中韓や露に投資したくない中国共産党の独裁で管理社会の実験をすることに投資したくない。人民個人は概ね善人であると思われるが、独善的でありカネ好きの傾向が強く、尊敬できる国ではない。また中韓ともに日本と競合する商品が多く、日本の利益にならない。韓国は情が法を超越する国であり、基本的に信頼できない。北朝鮮という地政学リスクも強い。ロシアもクリミア半島の問題を抱えており、さらに日本にとっては北方領土問題もあり、信頼できない。
  • 市場の効率性が低い。先進国と比較して政治経済が閉鎖的なので、強権的な経済政策が執られやすく、市場アクセス性を低下させることがある。また日本円、ドル、ユーロなどと比較して為替変動による影響が大きすぎる。例えば米ドルは保有していても良いが、利回りの高い南ア・ランドやトルコ・リラであっても暴落リスクが高い。中国・人民元や韓国・ウォンなどは論外で、海外渡航の後でもなるべく通貨を保有しておきたくない。
  • 投資信託の信託報酬・実質コストが比較的高い。市場の効率性が低いため。
  • 新興国に敢えて投資するのであれば、MSCI EMやFTSE EMではなく、個別の国のETFを購入した方が良い。なおかつコアではなく、サテライト的に保有したい。

 

私の投資方針は投資期間30年程度と考えて以下のような理由で「米国を軸とした先進国のみ」です。

  • 米国は世界最大の経済大国・世界最強の軍事国家・伝統的な資本主義国家である
    →米国こそが資本主義国の見本であり、かつルールそのものである。したがって、米国の繁栄のために資本主義世界が動くような仕組みを米国は現に構築しているはず。自国に対する脅威は軍事的であれ経済的優位性であれ、様々な圧力をもって潰す
  • 米国は優秀な頭脳が集積され、スタートアップ企業が群を抜いて多い
    →玉石混交の企業を持つことでオンリーワンなリーダーシップ企業・寡占企業が生まれる素地を作っており、実際に世界的ハイテク企業が集積されている。小型株効果が得られやすい
  • 米国は移民国家であり、将来的にも人口増加する
    →先進国でありながら人口ボーナスも期待できるような新興国の要素がある
  • 米国は金融教育が発達しており、自国民が積極的に資金を投資に投じて経済を回している
    →現在も良性なインフレが継続中であり、米ドルは2%程度の減価を続けている。そのため、タンス預金は損であるという意識が強い。アメリカ人の利回りが良い商品を購入したい意識はデフレが長く続いた日本よりもはるかに強いはずであり、一般的リスク・リターンの高い自国株式の保有に向かうため、アメリカ国内の富はアメリカに再投資される。結果的に、アメリカの富は増え続ける
  • EUなどの欧州地域は人権意識などが日本と同等か日本よりも進んでいる場合があり、新たな規範が生まれる場であり続けている
    →新たな規範は新たなビジネスの源泉であり、先行者利益が得られやすい
  • 日本株はインデックスでは基本的に買わない。日本市場は海外勢の売買が支配的であるのと同時に、長期的には衰退市場であるため。また、インデックスファンドを買うよりも個別株を買って株主優待をもらいながら長期投資した方がモチベーションが維持できる。日本株についての情報は主に日本語で得られることから、海外勢よりも個別株は買いやすい

以上の理由で、我が家のリスク資産は米国株が中心であり、なおかつ先進国のみに投資しています。投資信託で言えば楽天・全米株式インデックス・ファンド、eMAXIS Slim先進国インデックス、たわらノーロード先進国です。

私は日本が心地よいのでアメリカやEU諸国に移住したいとは思いません。しかし、アメリカのスーパーパワーに対して畏敬の念が強いです。そんなアメリカで資産の一部を働かせ、長期間かけて富を増やし、日本にそのお金を落としたいという、いち日本人の経済的戦略を実践しています。

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