自立を願う父さんのお金教育

就学前児童の父です。学校ではあまり学ばないお金の教育をいつ・どうやってわが子に教えていこうかを考えていきます。投資もやらせたいので、父親自ら投資実践しています。家族みんなの力で資産形成を目指すブログです。

GPIFさんに教えてもらう長期分散投資のやり方

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人は年金を運用している独立行政法人で、国内最大の機関投資家です。GPIFの運用方針は国内債券メインのポートフォリオのため超保守的と言ってよく、長期資産運用のお手本のような存在と捉えることもできます。

そこで、GPIFの運用方針を参考にして子供に長期資産運用を学ばせることを考えます。

GPIFの運用方針

GPIFのHPの説明文を読むと、運用方針の概念と基本ポートフォリオが分かります。

cden.hatenablog.com

運用方針のポイントは

  • 複数のアセットアロケーション分散投資する
    分散投資でリスクを分散させます。資産は次の4つ
     国内債券:NOMURA-BPI(除くABS)
     国内株式:TOPIX(配当込み)
     外国債券:FTSE世界債券(除く日本、円ベース)
     外国株式:MSCI ACWI(除く日本、グロス、円ベース)
    ※外国債券と外国株式は為替ヘッジなし
    オルタナティブ資産も上記4資産に分類
  • 毎月末にリバランスする
    リバランスとは予め設定されたポートフォリオの資産構成割合を保つべく資産の売買高を調整することです。
    リバランスをすることで、株高などで資産構成割合が増加(割高)のときには購入を控える一方、下落などで資産構成割合が減少(割安)のときには割安の資産を多く買うことができます。こうして、リバランスは割高の資産を買うことを回避してくれます。したがって、リバランスは分散投資において必要不可欠であるとともに、各資産の構成割合の設定が最も重要となります。
  • 乖離許容幅を設定する
    以下の表はH31年現在の基本ポートフォリオとその乖離許容幅です。
      国内債券 国内株式 国債 外国株式
    基本ポートフォリオ 資産構成割合 35% 25% 15% 25%
    乖離許容幅 ±10% ±9% ±4% ±8%

    資産構成割合が基本ポートフォリオから乖離した場合には、資産の入替え等(リバランス)を行い、乖離を解消することとなります。しかし、時価の変動等により小規模な乖離が生じるたびに入替えを行うことは、売買コストの面等から非効率であるため、基本ポートフォリオからの乖離を許容する範囲を定めており、これを乖離許容幅といいます。

     用語集|年金積立金管理運用独立行政法人

    概ね各資産の1/3~1/4に設定されています。国内債券は最も価格変動しない資産でありますが、国内株式や外国株式が株高・暴落をすることによりその乖離率は広がりやすいといえます。

  • ESG投資をする
    GPIFは基本的に株式市場・債券市場の指数を基にしたインデックス投資を行っていますが、一部別の指数を用いて投資を行っています。それが、ESG投資です。

    ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の英語の頭文字を合わせた言葉です。投資するために企業の価値を測る材料として、これまではキャッシュフローや利益率などの定量的な財務情報が主に使われてきました。それに加え、非財務情報であるESG要素を考慮する投資を「ESG投資」といいます。ESGに関する要素はさまざまですが、例えば「E」は地球温暖化対策、「S」は女性従業員の活躍、「G」は取締役の構成などが挙げられます。

     ESG投資|年金積立金管理運用独立行政法人

    環境や社会やガバナンス(女性取締役の登用など)を重視している企業への投資を行うことで受託者責任を負うという投資手法です。ESGを重視しない企業は長期的には株価下落を招き、淘汰されます。環境破壊をしてまで企業利益を追求する企業へは、誰だって投資を控えたいものですからね。逆に、ESGを重視している企業への投資は、長期的なリターンの改善が期待されます。

    なおESG投資を行う機関投資家は増加の一途であり、運用資産総額も増え続けています。GPIFは平成27年(2015)に国連責任投資原則への署名を行い、平成29年(2017)に国内株式に関するESG指数(FTSE・MSCI作成)を採用しています。

  • https://www.gpif.go.jp/investment/esg/pdf/esg_selection.pdf

    https://www.gpif.go.jp/investment/pdf/signatory-UN-PRI.pdf

GPIFを参考にした子供への長期分散投資教育

  • 4資産分散投資投資信託で行う
    国内債券(野村BPI)
    国内株式(TOPIX
    国債券(FTSE世界債券)
    外国株式(MSCI ACWI)
  • 各資産の一部にESG関連テーマの投資信託を組み入れる
  • 定期的(3ヶ月、半年、ないし1年に1回など)にリバランスを行う
  • 以上を数年間子供の証券口座で行い、見本として見せ、子供に運用させる
  • 運用開始する子供の年齢は、百分率計算をする小学5年生頃から中学生まで

ESG関連テーマの投資信託はコストが高い印象です。日経マネーの記事

style.nikkei.comによれば、

などがあります。これらのファンドはそれぞれ国内株式のアクティブファンドであり、ファンドに組み込まれている企業に特徴があります。たとえば、女性活躍応援ファンドは国内中小型グロース企業ですが、明治安田女性活躍推進ファンドは国内大型企業が組み込まれています。いずれもアクティブファンドゆえ信託報酬は高いので、投資教育の観点では少ない割合にすると良いと思います。参考までに、GPIFのH29年度のESG運用資産総額は1.5兆円であり、これは資産総額156兆円の1%程度です。

https://www.gpif.go.jp/investment/esg/pdf/0813_esg_katudohoukoku.pdf

"小さなクジラ”のポートフォリオを作ってみる

1万円投入すると考えます。基本ポートフォリオを考慮し、インデックスファンドのラインナップに定評のあるeMAXIS Slimシリーズを中心に組むと

  • 国内債券:eMAXIS Slim 国内債券インデックス3500円
  • 国内株式:eMAXIS Slim 国内株式インデックス2400円
         朝日ライフSRI社会貢献ファンド100円
  • 国債券:eMAXIS Slim 先進国債券インデックス1500円
  • 外国株式:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 2500円

となります。
これを次のリバランスのときに解約・買い足しし、さらに元本を投入します。

ESG投資を考慮しなければ、国内株式インデックス2500円でも良いでしょうが、教育的には、ESGはあった方が効果的であると思います。
他にベンチマークとして、GPIF基本ポートフォリオと連動した成果を目指す

を10000円買っておくと比較ができて面白いかも知れません。但し、このファンドの資産総額は新規設定されて半年ですが1億円未満と不振であり、近い未来に償還されるかも知れません。

まとめ

GPIFは情報公開も適宜行っており、投資の勉強にはもってこいです。機関投資家の論理を垣間見ることもできます。ESG投資などはまさにその典型です。

子供が“小さいクジラ”を通して長期資産運用について学び、またGPIFの現況を知ることで、広い視野が身につくことが期待できます。

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