楽天・全米株式や先進国株式(MSCIコクサイ)インデックスとポートフォリオを組むのに適した資産クラスを考える
投資信託の先進国株式クラスとして人気のある楽天・全米株式やeMAXIS Slim先進国株式をはじめとするMSCIコクサイ・インデックスはポートフォリオの中心として人気があります。そこで、本稿ではこれらのインデックスと一緒に組むのに適した投資信託を考えます。
先進国株式のリスク
日本円でお金をもらい日本円を使う我々日本人から考えて、先進国株式に投資するリスクは主に
- 為替(円高)リスク
- バリュエーション(割高)リスク
です。目下先進国株式で50%以上を占める米国株が米利下げの影響で円高になり、基準価額が目減りしています。
また、米国株はこの数年間ずっと株価収益率(PER)が20程度と比較的高く、割高傾向が続いています。逆に言うと、お金が集まっているとも言えます。
先進国株をメインに積み立てていると、先進国の株式が買われている内は良いのですが、経済の不安定性や需給バランスの悪化により先進国から資金が流出すると、先進国株の株価は下がります。
流出したお金はどこに行ったか?というと、より収益性の高い、値上がりする資産へ注ぎ込まれたということです。
長期投資において、先進国株は暴騰と暴落を何度も繰り返します。割高と割安を繰り返すのです。したがって、先進国株の長期投資においては、先進国株以外の資産も持ってリバランスする必要があるのです。
先進国株とコンビを組むのに適した資産(インデックス)はJ-REIT
長期投資において先進国株とポートフォリオを組むのに適した資産の条件は、以下のようなものです。
相関係数が低いほど、資産間の値動きの関連性が低くなります。つまり、「連れ下げ」しにくい資産であると言えます。負の相関係数をもつ資産は、逆の値動きをします。
2019年6月時点での各資産間の相関係数のデータを引用します。
※https://www.quick.co.jp/3/article/14318
これを見ると、先進国株式に対して負の相関係数あるいは低い正の相関係数をもつ資産は概ね2つです。
先進国株に対して国内債券の相関係数はマイナス0.26であり、分散性という意味では最も良い選択肢です。しかし、国内債券の利回りは1%未満と低く、高い利回りの円定期預金で代用可能です。
国内債券の次に低い相関係数を持つ資産はJ-REITです。先進国株に対してJ-REITの相関係数は0.41であり、国内債券ほどではないにしても分散投資先として十分価値のあるものです。
ただし、リーマン・ショックなどの金融危機時には信用収縮が生じますので、J-REITも大幅に下落することに注意が必要です。
※https://j-reit.jp/study/foundation/04.html
2007年9月からの下落率は東証REIT指数が最も下落したことが分かります。したがって、J-REITはあくまで安全資産ではないです。
J-REITの利点は高い利回りにある
J-REITの良い点は、その高い利回りにあります。
こちらのサイトでは、東証のETFの利回りランキングが示されています。
※高分配金ETF(東証):利回りランキング | インカム投資ポータル
上位20位のうち、J-REIT ETFは6つ(上場インデックスファンド日本高配当(1698)も含めると7つ)であり、年間配当は概ね3.0%~3.6%と比較的高配当であると言えます。
高い利回りの理由は、
J-REITは資産の運用以外の業務を禁止されており、また東証の上場規程により、保有資産のほとんどを不動産に関連する資産とする必要があります。
また、一般的な会社は、法人税が課税された後に投資家に分配しますが、上記条件を満たした投資法人は、法人税が課税される前に投資家に分配金を支払うことができます。
具体的には、配当可能利益の90%超を投資家に分配することになっており、これが利回りが高いと言われる理由です。
※好利回り投資に欠かせないREIT ETF! | 東証マネ部!
ということです。J-REITならば先進国株が不振のときもインカムゲインを得ながら辛抱強く待つこともできます。したがって、先進国株と組み合わせると良い資産はJ-REITであると言えます。
J-REITを組み込むべきアセットロケーション
先進国株とポートフォリオを組むのに適した資産はJ-REITであると分かりましたが、組み込むべきアセットロケーションはどのようなものがあるかを考えます。これは、
となります。
投資信託
J-REIT投信で選んではいけない投信があります。
分配金を投資元本から賄う、所謂タコ足投信のことです。これらは除外して選ばなければなりません。
また、長期投資で考えると、なるべく配当は出さずに自動で再投資するコースを選択するのが良いです。
※タイプ別ランキング(国内不動産) | 投資信託 | 楽天証券
順位の1、2、4はタコ足投信です。また、なるべく管理費用(信託報酬)の低いファンドを選ぶ必要がありますので、実質コストが高くなりがちなアクティブファンドも避けるべきです。
そうすると、
の4つから選べば良いということになります。これらはすべて東証REIT指数(配当込み)をインデックスとして運用されており、基本的に同等です。実質コストも0.数%の違いであり、どれを選んでも大差はありません。
ETF
特定口座では投資信託だけでなくETFも選べます。ETFは株式と同じで配当金が出るので、インカムゲイン重視の人はETFを選ぶのも良いでしょう。
※https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01-07.html
これらは
に連動した成果を得るよう運用されています。指数が同じであれば、信託報酬の細かい差はあれど、どれを選んでも大差ありません。
東証REIT指数
東証のJ-REIT株銘柄すべての時価総額比で構成されています。東証TOPIXのJ-REIT版といった所です。用途別割合と組入銘柄上位10種は以下の通りです。
※組入銘柄 - NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 - JAPAN-REIT.COM
東証REIT Core指数
2019年3月から算出されています。東証 REIT 指数の算出対象を母集団とし、浮動株時価総額及び売買代金の水準により銘柄を選定しています。
組入銘柄は以下のリンクにあります。
https://www.jpx.co.jp/news/1044/nlsgeu000002z3ro-att/j_reitcore.pdf
野村高利回りJリート指数
2017年11月から算出されています。指数の特徴は
- 全Jリート銘柄の中から予想分配金利回りが高い銘柄(30~40銘柄)を組み入れる
- 予想分配金利回りの高い銘柄のウエイトを高めた非時価総額加重型指数
- 投資可能性に配慮して、時価総額や日次平均売買代金に関するスクリーニングを行っている
- 構成銘柄は原則年1回見直される
※http://qr.nomura.co.jp/jp/nmjr/docs/NMJR_rulebook_20190319_J.pdf
です。なお、組入銘柄は非公表です。
各J-REIT指数のチャート
青線(1597)は東証REIT指数(MAXIS Jリート上場投信)
赤線(2527)は東証REIT Core指数(NZAM 上場投信 東証REIT Core指数)
緑線(1660)は野村高利回りJ-REIT指数
です。6か月程度の比較に留まりますが、野村高利回りJ-REIT指数のパフォーマンスが1~2%程度高いようです。次いで東証REIT Core指数となります。
東証J-REIT指数と楽天・全米株式およびMSCIコクサイのチャート
青線は東証REIT指数((NEXT FUNDS)東証REIT指数連動型上場投信)
赤線はMSCIコクサイ(インベスコMSCIコクサイ・インデックス)
緑線は楽天・全米株式インデックス
です。
この1年間の東証REIT指数のパフォーマンスは米国株と先進国株を凌駕するものでした。また、東証REIT指数と楽天・全米およびMSCIコクサイの相関が低いことも分かります。
10年チャートです。
楽天・全米の代わりにS&P500を用いています。
10年間チャートは大差をつけてS&P500およびMSCIコクサイが勝っていました。
ただし、10年レベルで見てもやはり東証REIT指数はS&P500およびMSCIコクサイとの相関は低いことが見て取れます。
まとめ
先進国株式として楽天・全米やMSCIコクサイとポートフォリオを組むのに適した資産クラスはJ-REITです。J-REITは国内債券よりもパフォーマンスが優れています。
日本は少子高齢社会に突き進み、すでに空き家問題が生じていますが、こと不動産となると、限りある資産のために安定的に価値が上昇するのかも知れません。超長期的にはJ-REITの資産価値も下がるかも知れませんが。
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豪ドルに両替でどの両替手段が最もレートが良いかを数字で具体的に比較。利便性も考慮すると外貨宅配が有利。
海外旅行や短期留学で両替をするのに、あなたはどこでしますか?
私は、
- 20年ちょっと前(学生時分):成田空港、現地銀行
(円建てトラベラーズチェックで) - 10年ちょっと前~少し前:現地空港、現地両替商
でやっていました。海外に行けること自体が嬉しくてレートなどは考えていませんでした。大変愚かでした。おそらく無駄に手数料を払っていたと思います。そこで、本稿では最もリーズナブルな両替について考えていきます。
結論:外貨両替ドルユーロ
先に結論を書きますが、安く両替するために最も良いと判断した手段は
doru.jpです。ここは手軽かつレートも良いです。素晴らしいサービスです。
以下では、外貨両替ドルユーロと他の両替手段とを比較して、どの手段が良いかを検討しました。
手軽かつレートの良い外貨両替手段は何か
私は、外貨両替ドルユーロを選択する前に、
- 国内空港の両替レート
- 現地空港銀行ATMのレート
- 現地銀行窓口のレート
- 外貨両替ドルユーロ(外貨宅配)
を比較し、どの手段が最も手数料が安いかを検討しました。
検討の前提
- 両替した通貨はオーストラリア(豪)ドル
- 基準レートはみずほ銀行のTTSとTTBの仲値を用いた
- 令和元年8月8日時点のデータを用いた
仲値はAUD 71.70円(なお電信売TTS 74.20円)
国内空港の両替レート
ここでは、羽田空港国際線ターミナルで両替することを想定します。
羽田空港国内線ターミナルの両替所はみずほ銀行が最も利便性が高いと言えます。
したがって、みずほ銀行を用いてみます。
みずほ銀行の外貨両替相場は、1 AUDは 81.20円です。
仲値71.70円に対して13.24%高いです。
現地空港ATM
オーストラリアでの両替に詳しいブログによると、現地空港の両替レートは良くないようですが、一応調べておきます。
こちらのブログが非常に詳しいです。
c-study.netこちらのブログによると、交換レートに加えてATM使用手数料が掛かるとのことです。
シドニー国際空港でトラベレックス(Travelex)とANZ銀行のATMを利用したところ、手数料の金額が違いました。
銀行名 利用手数料 トラベレックスATM 3オーストラリアドル(約224円) ANZ銀行ATM 2オーストラリアドル(約149円)
また、現地銀行ATMでは「国際ブランドの提示するレート(Continue without conversion)」の他に割高レートである「ATM独自のレート(Continue with conversion)」を提示するATMがあるとのことで、注意が必要のようです。
国際ブランドの提示するレートは公開されています。例としてVISAを用い、bank foreign transaction fee (外国為替取引手数料)を1.63%(楽天カードのVISAでキャッシングする場合)とすると、
となり、1 AUDは73.53 円となりました。
仲値71.70円に対して2.55%高いです。
したがって、海外ATMを使う場合は、2.55%にATM使用手数料として2~3 AUD(140円~210円)が掛かるということです。仮にANZ銀行ATMで3万円分下ろすことを考えると、0.46%上乗せとなり、合計3%程度になります。日本のコンビニATMなどで下ろす場合もそうですが、ある程度まとまった額を下ろさないと手数料負けすることになります。
現地銀行・両替商
現地銀行として、オーストラリア在住日本人ブログでざっと調べた結果、事前予約を必要としない銀行では、National Australian Bank(NAB)のレートが良いとのことでした。
※オーストラリアドル(豪ドル)に両替/換金するにはどこが一番良い? | オーストラリアに移住したパパのブログ
なお、要事前予約ですがKVB Kunlunという両替商が最もレートが良いとのことです。
※https://www.nab.com.au/personal/travel-and-overseas-banking/foreign-exchange-rates#/calculator
National Australian Bank(NAB)の外貨両替相場は、1AUD が74.63円です。
仲値に対して4.09%高いです。
外貨両替ドルユーロ
今回、外貨両替として初めて外貨宅配を使ってみました。外貨両替ドルユーロです。予想以上に良かったですので、以下で紹介します。
doru.jp
レート
(8/8日付仲値:71.70円)
AUD レートA:75.51円、レートB:75.29円、レートC:75.22円
レートA:5.31%、 レートB:5.00%、レートC:4.90%
50万円以上両替のお得感が強いです。
メリット
- 宅配してくれるため、空港や渡航先での手間がない
(10万円以上は送料無料) - 渡航先の銀行に比肩する、比較的良いレートで両替してくれる
- 両替額によってさらに良いレートで両替してくれる
(50万円まで/200万円まで/200万円以上) - お札の種類や状態について、ある程度要望を聞いてくれる
- 事前に良いレート(現地通貨安)で両替できる
デメリット
- 手数料的に、現地銀行ATMや現地銀行、クレジット決済には1~2%程度負ける。
結論として、私は両替は外貨両替ドルユーロとしました。
1 AUD 75.51円で700AUDを両替し、送料400円込みで53,257円。現地銀行より1%程度高い程度に収まっています。5万円として500円分。手間を考えると悪くない買い物で、満足しています。
両替レートまとめ
- みずほ銀行の仲値はAUD 71.70円(基準)
- 現地空港ATMで「Continue without conversion」でキャッシング
→仲値より3%程度高い(最低コスト) - National Australian Bank(NAB):仲値より4.09%高い
- 外貨両替ドルユーロ:仲値より5.31%~4.90%高い
- 羽田空港みずほ銀行両替所:仲値より13.24%高い
ということで、利便性を考えると外貨宅配は魅力的と言えます。
クレジットカードで都度決済する場合
両替せずに都度クレジット決済する方法もあります。
クレジットカードの場合は、こちらのブログによると、国際ブランドによって基準レートが異なり、仲値に対してMasterCardが1.61%、JCBが1.77%、VISAが2.07%とのことです。
この上さらに、カード会社の規定による決済手数料が掛かります。
例えば、楽天カードではVISA, MasterCardともに1.63%です。
※海外決済の適応レート・手数料の確認|楽天カード
したがって、MasterCardで買い物をすると3.24%、JCBで3.40%、VISAで3.70%掛かります。この値は、現地空港ATMよりは0.24%~0.70%高いですが、現地銀行両替のコストよりも安いです。
MasterCardが最も割安に買い物ができるようですが、差は0.4%以内です。これは10000円の買い物で30円であり、気にするほどの額ではありません。
ただし、オーストラリアでクレジットカードを使う場合、クレジットカード利用手数料が商品代金に上乗せされて請求されるとのことです。
上記の記事に詳しく書きましたが、オーストラリアでは利用額の0.4~2.0%程度手数料が発生することがあります。
※http://famzau.com/2018/05/21/cash-or-creditcard/
スーパーマーケットやコンビニ、ファストフード店では利用手数料は掛かりません。
したがって、クレジットカードは現金両替よりも安く買い物ができると言えます。
クレジットカードが最も合理的ではあるけれど
ここまで読んでいただいた方は、「現金を下ろすよりもクレジットカードが良いんじゃないか」と思われると思います。
実は、その通りです。現金を持ち歩かなくても良いので、安全性も向上します。
しかし、私は敢えて今回外貨両替ドルユーロを使いました。
現金のメリットがあるからです。
- ある程度現金を持っておくと、あらゆる状況に対応できるから
渡航先で、ペイメントに関する情報をあまりもたずに現金なしで行動することはリスクである - 渡航先でのクレジット利用は、国内でのクレジット利用よりも使いすぎる可能性が高い
観光では心が浮かれやすく散在してしまいがち。また現地通貨に慣れていない場合、金銭感覚が狂って高いものでも買ってしまう可能性がある - 急激な円高や急激な通貨安が一時的に訪れることがあり、良いレートで外貨を買っておくことができる
ということで、海外でのクレジット決済に慣れていない場合、メインはあくまで現金決済としつつ、サブとしてカード決済をすると良いと考えています。
「年金2000万円不足」問題の整理と老後のための資産形成・長期投資の考え方|継続的に余裕資金を増やし、リスク許容度を上げ、複利の力を生かす
「老後に年金2000万円が不足する!」という年金問題が話題ですね。本稿では、この問題をシンプルに整理した上で、サラリーマン世代が老後のための資産形成としていくら位積み立てて行けば良いのかを考えます。
「年金2000万円不足」の根拠
話題となった資料
まずは話題の発端となった資料を見てみる必要があります。
※iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題,厚労省年金局企業年金・個人年金課,2019年4月12日
これは、総務省の2017年「家計調査」からのデータです。家計調査は個人消費支出の最も重要かつ基本的な統計資料であり、この調査結果から国や地方自治体の予算が組み立てられています。
表にある高齢夫婦無職世帯の収入・支出は当該世帯の各家計項目の中央値を算出したものです。だから、「こんなに使わない」や「少なすぎる」など数字の印象に個人差があるはずです。
ここでの社会保険給付191,880円は国民年金、厚生年金、共済年金を平均した値です。日本は中小零細企業のサラリーマンが圧倒的に多いので、厚生年金の割合が高いはずです。
実支出は実収入よりも5.5万円多いため、60歳から90歳まで30年間生きる場合、2000万円が赤字になるという試算です。だから、公的年金以外に貯蓄しておかなければ老後破産するよと金融庁が指摘したのです。
この試算に恣意性はなく完全に客観的なデータだと言えます。また、「生活費が不足する」という結論は最近出たようなものではなく、だいぶ昔から言われていたことです。
若い世代の認識
日本経済が好調だった時代は所得が増える世帯が多く、あまり心配しなくても良かったのでしょう。退職金もしっかり出ていたのでしょう。だから、公的年金が不足していてもあまり問題にならなかったのだと思います。それどころか、日本の金融資産の8割は高齢者が握っています。高齢者は裕福なのです。
一方の私のような30~40代は子供の頃から少子高齢化のあおりで「高齢者1人を2人で支える」だとか「1.5人で支える」だと教え込まれ、現役世代から資産形成の自助努力を求められてきました。
したがって、ニュース番組では「年金が不足する」とセンセーショナルに報じていますが、そんなこと百も承知(中学の社会科の授業で学んで以来ずっと承知している)であり、速報性も重大性もありません。むしろマスコミが参院選を念頭に政権批判をしたいだけというのは目に見えています。根本的な問題である少子化を避けて議論しているのですから。
我々以下の世代(10代後半~40代)は退職金がもらえて個人年金を十分に作れる、安定した会社を志向する傾向がどんどん強まってきました。
私は19~20歳位の学生の就職指導をしていますが、彼らの希望する企業は
- 第一に「ホワイト企業であること」(時間外労働が過大でない)
- 第二に「安定していること」
- 第三に「福利厚生が充実していること」
を挙げます。勤務内容よりも労働条件を重視しているのです。お金に困らずに仕事をしていくことは人生設計上重要であるため、彼らの希望は至極真っ当であると言えます。だから、潰れるかも知れないベンチャー企業よりも有名企業に行きたがるのです。ただし学生は自分や保護者の知っている企業の中でのみ、自分が安定していると思い込んでいる企業を探そうとするので、有名企業やインフラ系や公務員に偏る傾向があります。尤も、最近はだんだん当てはまらなくなってきているようですが。
老後の「年金2000万円不足」を漠然と心配するよりも、建設的かつ具体的に今後を考える
先述したように、年金2000万円不足は現状の家計調査の中央値を基にしたものであり、個人個人に当てはまるものではありません。足りなさそうであれば何かしらの消費を抑えれば良いのですし、何かしらの労働で稼げば良いのです。また、今すぐに老後がやってくる訳ではないので、少しずつ対策していけば良いのです。
ニュースで出てきた値や論評をそのまま飲み込んではいけません。誤解してしまう恐れがあります。また漠然とした心配は強い行動を生み出しません。なるべく具体的に当たるべきです。
大事なのは、
- 計画的な人生設計:豊かな人生を歩むためにはどうしたら良いかを考える。幸せの価値観は人によって異なる。お金があれば必ず幸せという訳ではないし、お金がなくても幸せ、という訳でもない
- 収入を増やすこと:自己投資をしてできることを増やす、不労所得を得る
- メリハリのある消費:無駄な支出と有益な支出に分け、なるべく有益な支出にのみ消費する
ことです。私も家族を巻き込みながら、家族に負担を強いらない程度に家計改善を進めています。
老後のための資産形成を具体的に考える
先述の家計調査結果を基にして、我々のような若い世代(20代~40代)がいくら位準備すれば良いのかを考えます。なお、調査結果は高齢夫婦無職世帯のものであり、独身の方や高齢になってもなお扶養家族がいるかも知れない人には当てはまりません。
年金の仕組み
年金給付については、下記動画が分かりやすいです。
【DHC】2019/7/8(月) 田北真樹子×高橋洋一×居島一平【虎ノ門ニュース】
21:30からです。元財務官僚で年金数理人でもある高橋洋一氏が年金を分かりやすく説明してくれています。
高橋氏のシンプルな年金の説明は以下の通りです。
- 20歳~70歳までの50年間で自分の所得の2割を保険料として払う。
50年間×0.2=10年間分
つまり、自分の所得の10倍を払うことになる。 - 70歳~90歳までの20年間で自分の所得の5割をもらう。
20年間×0.5=10年間分
つまり、50年間で貯めたお金を20年間掛けてもらうことになる - 70歳で死んだら掛け損。90歳で死んだらトントン。100歳まで生きたら30年間×0.5=15年間で自分の所得の5年分得。
- 半分の人がいつかの時点で死ぬから、その分のお金を生きている人に渡すという保険が年金保険。早死にした人がもらうはずだったお金を長生きした人に渡すという仕組み。
明快な説明です。年金給付額は将来の人口推計と賃金・物価を基にした厳密な数理計算ではじき出されているため、そもそも年金不安もクソもないですね。
高橋氏の説明の結論は、
- 年金不安を解消する、つまり年金を現役世代と同じ額だけもらうためには、保険料率を2倍とか3倍に上げるしかない。
というシンプルな話でした。
長期的には、保険料収入を増やすべく子供また人口を増やすか、経済成長により一人当たりGDPを増やすか…それ位しかないことなので、そもそも政局にするような問題ではないのでしょう。だから、マスコミや特定の政党の主張はナンセンスなのですね。
必要な年金給付額
- 実収入:209,198円
- 実支出:263,718円
年金給付額は賃金と物価の推移を基に調整されています(マクロ経済スライド)。
※マクロ経済スライドについては、下記リンクを参照してください。本家の専門家による分かりやすい説明です。
マクロ経済スライドってなに? | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
したがって、20~30年後の必要額は2,000万円よりも多くなっていることが予想されます(日本は2%のインフレ目標で、実際には0~2%のインフレで推移していますので)。
しかしながら、収入と支出の割合は変わらないのではないかと思います。そうすると、実収入21万円に対して不足額5.5万円、つまり収入に対して26%の不足をどう埋め合わせるかということが重要です。
高橋洋一氏の説明から、年金給付額が現役時代の収入を上回ることはありえません。したがって、年金不安を解消するためには、以下の2つが考えられます。
- 年金給付額と同額の支出額に抑える
- 不足額を取り崩すべく蓄財する
1は家計の見直しで解決します。定年になる少し前に考えるようなことです。
2は資産形成であり、若い今から考えるべきことです。次項で考えます。
資産形成をいつ始めるかで難易度が変わる
本稿では、老後資金として目標額2,000万円を貯めるにあたり、
- 何歳で始めるか?
- どんな口座を使うか?
- いくら積み立てれば良いか?
を考えます。
何歳で始めるか?
- 20歳
- 30歳
- 40歳
- 50歳
の4通りで考えます。なお、夫婦でお金を貯め始めるとします。
どんな口座を使うか?
- iDeCo:60歳で終了
- つみたてNISA:2038年で制度終了
iDeCoもつみたてNISAもどちらも非課税投資枠です。
- つみたてNISAは誰でも40万円/年
- iDeCoは一般企業のサラリーマンならば27.6万円(23,000円/月)
iDeCoは拠出金額全額が所得控除の対象となりますので、iDeCoを優先します。
いくら積み立てれば良いか?
シミュレーションには楽天証券の積み立てかんたんシミュレーションを用います。
- 20歳:2,000万円を40年間で貯める
リスク許容度によって積み立てに必要な金額が変わります。
リスク許容度0:定期預金
20歳からでも、定期預金だと毎月42,000円貯めなければなりません。
定期預金金利は元本割れしない代わりに極めて低い利回りのため、長期投資ではまったくお勧めできません。
リスク許容度高め:株式インデックスファンド
長期投資であれば短期的な下落を考える必要はないです。余裕資金で粛々と全世界株式(利回り5%程度)、先進国株式(利回り6%程度)、新興国株式(利回り6%程度以上)を買付するのが良いでしょう。ポートフォリオは先進国株式をメインに据えるのが良いです。
ポートフォリオについてはぜひ過去の投稿記事をご覧ください。
先進国株式を積立した場合は、
複利の力を得ることで、10,000円程度の積み立てで2,000万円貯まります。定期預金は直線で増えるだけですが、複利では指数関数的に増えます。定期預金との差は32,000円程度です。iDeCoのみで十分積み立てできます。したがって、資産形成は若い内から始めるのが賢明です。圧倒的に楽です。
- 30歳:2,000万円を30年間で貯める
リスク許容度0:定期預金
30年間積み立ての場合、毎月56,000円程度です。40年間積み立てよりも14,000円ほど増えました。iDeCoだけではダメで、銀行の総合口座などで増やすことになります。
リスク許容度高め:先進国株式インデックスファンド
40年積み立ての場合よりも9900円ほど増えますが、iDeCoだけで積み立て可能です。定期預金との差は36,000円です。
- 40歳:2,000万円を20年間で貯める
リスク許容度0:定期預金
20年間積み立ての場合、毎月83,000円程度です。30年間積み立てよりも17,000円ほど増えました。毎年100万円拠出する必要があります。もちろんiDeCoのみでは不可能な金額です。
リスク許容度高め:先進国株式インデックスファンド
30年積み立ての場合よりも23,000円ほど増えます。夫婦でiDeCoに加入すれば、43,000円の積み立ては可能です。専業主婦(主夫)でも23,000円拠出可能です。定期預金との差は40,000円です。
- 50歳:2,000万円を10年間で貯める
リスク許容度0:定期預金
10年間積み立ての場合、毎月167,000円程度です。20年間積み立てよりも83,000円ほど増えました。毎年200万円拠出する必要があり、子供が大学生などの場合、現実的に拠出できる金額ではなくなります。
リスク許容度高め:先進国株式インデックスファンド
10年積み立ての場合、夫婦でiDeCoとつみたてNISAを駆使し、さらに特定口座などを用いれば可能です。グラフの反り具合から分かるように、10年程度では複利の力を生かしきれません。
- iDeCo:23,000円×2=46,000円/月
- つみたてNISA:33,333円×2=66,666円/月
- 特定口座:9375円/月 → 1,536,369円貯める必要あり。
特定口座では売却金額の20%課税されるため、1,536,369円×1.2=1,843,642円貯める必要があります。結果として、11,250円/月の積み立てが必要です。 - 合計で、123,916円/月の積み立てとなります。20%の課税のために2,000円/月ほど増えました。
まとめ
2,000万円を夫婦で貯めるためには、iDeCoやつみたてNISAは国民年金や厚生年金を支払った上での拠出となりますので、余裕資金が十分なければ続けられません。
それでも、20歳や30歳から年利6%程度を見込める先進国株式インデックスなどで積み立てを始めれば1万円~2万円の拠出で済みます。
したがって、老後のための資産形成で重要な点は
ということになります。
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私が東京オリンピック大会ボランティアの面談でアピールしたいこと
いよいよ、今週末に東京オリンピック大会ボランティアのオリエンテーションがあります。私は何としてでも採用を勝ち取りたいのです。我が子の教育や学校での国際交流業務に活かしたいのです。
採用のためには、オリエンテーションの核心といえる、実質面接審査である「面談」でいかにアピールするかだと考えています。そこで本稿では面談でアピールする内容を考えます。
活動分野・募集人数と応募者数
大会ボランティアの募集人数は80,000人、それに対して応募者数は204,680人
ですから、倍率は2.56です。
ただし、人気のある活動分野とそうでない分野があります。
- 人気 :競技、メディア、案内、式典、運営サポート、アテンドの順
- 不人気:移動サポート、ヘルスケア
となっています。
私としては、オリンピックボランティアとして活動できさえすれば活動分野にこだわりはないので、「指定なし」としました。移動サポートでも全然OKと考えています。面談でもそのように答えるつもりです。
面談の流れ
③面談 (10分)
参加者2名・面談員2名で面談を実施し、大会成功への想い等をお話いただきます。
※応募時に入力した活動希望期間、活動可能な日数、活動希望場所、活動希望分野を事前にご確認ください。
※TOKYO 2020 大会ボランティア運営事務局から送信された案内
ということで、参加者2名・面談員2名の4名での面談です。これは、都市ボランティアの面談と同様です。私に与えられる時間は5分弱。その内、面接員からの質問やコメントで半分弱掛かるでしょうから、実質3分が私に与えられる時間かと思います。
したがって、3分間で喋れる内容を考える必要があります。
面談員はいうなれば我々と同じボランティアの方だと思います。どのように彼らが我々を評価をしているのかは不明ですが、いずれにせよボランティアへの参加動機を熱意をもってアピールしなければなりません。
面談でアピールしたいこと
私が東京オリンピックボランティアに参加したい理由は以下の通りです。
- オリンピックという人類史に残る世界最高のスポーツの祭典の仕事の一端を担えること。ロマンを感じる。
- 東京オリンピックの成功を目指して色々な国や地域の人と仕事ができること。人種、国籍、宗教などを越えて、チームで東京オリンピックの成功を目指すことに意義を感じており、微力ながら貢献したい。
- オリンピックボランティアの経験を社会レガシーとして国際交流教育に活用する
- 具体的には、外国人ボランティアや外国人観光客とのやり取りや交流のエピソードを学生に話し、国際交流へのモチベーションを上げてもらう
- 定年するまでの25年間、できるだけ多くの学生のモチベーションを鼓舞したい。学校には1000人の学生がおり、25年間で最高25,000人に影響を与えられる
- 子供達に国際協力ボランティアの精神を伝えたい
一番はやはり国際交流関係の仕事と子供達への教育に生かすことです。私が率先してアクションして、学生や子供達へのメッセンジャーになれたらなと考えています。
まとめ
私がオリンピックボランティアの面談でアピールしたいことをまとめてみました。
私は普段からよく面接員役として学生の面接練習の相手をしますが、自分が受ける側になるのはそうある訳ではないので、今度の面談も良い経験になると考えています。
おまけ:ボランティアのユニフォーム
アシックスが東京オリンピックボランティアのユニフォームを公開しました。
大会・都市どちらも爽やかですね。強いていうならば都市ユニフォームの「City cast」の表記はない方がシンプルで良かったかもと思います。
アシックスのプレスリリース
https://corp.asics.com/jp/press/article/2019-07-19-1
こちらの方が色々なアングルの写真があります。
このユニフォームを着た自分を想像して、面談へのモチベーションを上げていきます!
高専生・高校生・中学生の海外研修旅行での支払い方法はVISAデビットカード一択!どのVISAデビットが良いかも解説
この記事は中学生・高校生・高専生向けに、海外研修旅行での支払いにはVISAデビットカードがお勧めである理由を説明します。
- 海外では、皆さんはお金を所持している外国人に見える
- 昔の海外旅行者がお金を持ち歩くために使ったモノ:トラベラーズチェック
- カードがいろいろ・支払い方法もいろいろ
- クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードそれぞれの違い
- まとめ:海外研修旅行での支払いに最適なカードはVISAデビットカード
- VISAデビットカードを選ぶ際の注意点
- 中高生・高専生がもてるおもなVISAデビットカード一覧
- 海外でかかる手数料の比較
- まとめ
海外では、皆さんはお金を所持している外国人に見える
日本ではごく普通の人に見える皆さんですが、日本人が少ない国や地域に行くと非常に目立ちます。また、皆さんは海外では外国人であり、渡航先の人からは確実に旅行者だと分かります。旅行はある程度お金を持っていなければできないことを彼らも知っていますので、旅行者である皆さんはスリ、ひったくりの被害に遭いやすいといえます。
わたしも、昔バンコクの繁華街でお金を数万バーツすられたことがあります。
ということで、海外旅行中はお金をなるべく持ち歩かないことが大切です。
昔の海外旅行者がお金を持ち歩くために使ったモノ:トラベラーズチェック
“あまりお金を所持したくないけれども、旅行中に現金をもっている必要がある”―こういった矛盾を解決する仕組みが少し前まではありました。それがトラベラーズチェック(T/C)です。
海外渡航中に現金の盗難や亡失などを回避する手段として、T/C発行元の保証により紛失時に再発行可能な小切手として用いられる。渡航前に所要金額分のT/Cを購入し、行先国で額面の現金として支払う。所定の手続を踏んでおけば紛失や盗難などの亡失時にリファンド(再発行)される。
※トラベラーズチェック - Wikipedia
T/Cは、現金と違って、それ自体を盗難や紛失により失っても再発行できます。T/Cは正確にはお金ではなく、小切手というお金の代わりができるもの(有価証券)だからです。このため、“旅行には必ず持っていくもの”として「地球の歩き方」などには必ず記述されていました。
このT/Cは、日本では2014年に売られなくなりました。ですが、有価証券ゆえ今でも換金は可能となっています。
※トラベラーズチェックは、今さら換金できるの?買取してもらえるの?
なぜT/Cは売られなくなったのか?それは、世界的な金融決済ネットワークが我々個人も使えるようになり、T/Cの便利な機能を含みつつ、さらに安全で便利な支払方法ができたからです。
それが、後述するデビットカードです。
カードがいろいろ・支払い方法もいろいろ
これらのカード①~⑤は私の財布に入っていたカードです。これらを見ながら支払い手段やカードについて勉強しましょう。
国際ブランド
親などの財布に入っていて見たことのあるマークがあると思います。①~③のカード券面にある「JCB」「VISA」「mastercard」というものです。これらは国際ブランドと言います。VISAが最も規模が大きく、使えるお店が多いアメリカの国際ブランドであり、JCBは日本の会社による国際ブランドです。
カードを使ってお金を払うときに一番気にしなければならないのは、これらのマークがお店のレジのところにあるかどうかです。
VISAとmastercardは使える店が多く、殆ど世界どこでも使えます。一方のJCBは日本国内や日本人がよく行く渡航先(ハワイなど)は使える店が多いものの依然限定的であり、海外旅行ではあまり活躍できません。もっと頑張ってほしいものですね。
皆さんの海外旅行先は必ずしもハワイに限らないと思いますので、皆さんが海外研修や海外旅行にもっていくカードの国際ブランドはVISAかmastercardにするのが良いでしょう。
カードと支払い方法の違い
①~⑥のカードについて、支払い方法がいくつかに分類できるのですが、分かりますか?正解は
です。国際ブランドが描いてある①~③はクレジットカードです。①は楽天カードという会社が発行している「楽天カード」、②は三菱UFJニコスという会社が発行している「KKRメンバーズカードVISA」、③はワイジェイカードという会社が発行している「ヤフーカード」です。④は国際ブランドのVISAマークがありますが、楽天銀行という会社が発行している「楽天銀行デビットカード(VISA)」というデビットカードです。最後の⑤はPASMOという、SuicaやICOCAと同じ支払い方法ができるプリペイドカードです。
クレジット・デビット・プリペイドとありますが、それぞれ支払い方法が全く違います。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードそれぞれの違い
クレジット・デビット・プリペイドそれぞれの支払い方法の違いを勉強しましょう。
クレジットカード
まずはクレジットという言葉を知る必要があります。
クレジットカードは、カードそのものにお金が入っている訳ではありません。それなのにお金を払うことができます。どうやっているのでしょうか。
実は、クレジットカードは、もっている人の「信用」を基にお金をカード会社(イシュア―と言います)から借りて支払う方法を取っています。つまり、クレジットカードで支払う方法とは、借金をして払う方法なのです。
クレジットは英語でCreditと書き、「信用」などと訳します。クレジットカードを作る際、必ず必要なのが「審査」です。審査の際、カードを作りたい人は「年収」「家族構成」「住んでいる住宅が持ち家か賃貸か」など、支払い能力を問われます。発行会社から支払い能力があると判定されれば、カードが発行されるということになります。
支払い能力や、実際に支払ってきた額を基にして、いくらだけクレジットカードで支払いができるかという「与信枠」が決められます。一般に与信枠が多い人ほど支払い能力が高く、金融機関からの信用能力も高いと言えます。
より詳しい解説はこちらをどうぞ。
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201211_01.pdf
クレジットカードでは、クレジットで支払った金額を「一括払い」で期限内に支払った場合に限り、手数料が掛かりません。お金が手元にない場合でも、この場合ならば現金で払った時と同じだけの支払いで済みます。
しかしながら、「分割払い」や「リボ払い」をすると、カード発行会社に長く借金をすることになりますので、カード発行会社に金利が上乗せされた金額を支払わなければなりません。
- 分割払い:購入商品100万円を5回払いの場合、1回の支払いを20万円+利息分になる
- リボ払い:購入商品100万円をリボ(4万円設定)で支払うと、4万円+利息分になる
自分の月収や貯蓄をはるかに超える金額の買い物でも、分割払いやリボ払いを使うと支払うことができます。しかしながら、それはあくまでも借金であり、かつ、利息が乗りますので一括払いのときよりも高額になりますので損です(クレジット発行会社にとっては上客ということになります)。したがって、分割払いやリボ払いはなるべくしないのが良く、する場合は返済計画をしっかり検討しなければなりません。
デビットカード
デビットカードで支払いをすると、支払った瞬間に自分の預金口座からお金が引き落とされてお店に送金されます。クレジットカードのように借金して買い物をすることにはなりません。ということは、自分の預金口座にあるお金の金額を超える買い物にはデビットカードは使えないということになります。
したがって、デビットカードはクレジットカードのような審査が不要です。ゆえに、デビットカードはおおむね預金口座を開設できる未成年(高校生位)からもつことができます。
以上から、デビットカードのメリットは
- 使いすぎても最悪借金にはならない
- 盗難に遭っても口座のお金以上に使われない
- 現金を持ち歩かなくても良い
などあり、T/Cの“正統後継者”のような位置づけです。
なお、国内のカード発行会社が発行しているデビットカードはVISAとJCBが多く、mastercardはほとんどない状況です。
プリペイドカード
Suica、ICOCAや楽天Edyなどはプリペイドカードといいます。予めカードにお金をチャージしておき、その金額分だけ使えます。
プリペイドカードはSuicaでも楽天EdyでもiDでも国内のみ有効ですが、国際ブランドを用いたVISAプリペイドなどは海外でももちろん使えます。
まとめ:海外研修旅行での支払いに最適なカードはVISAデビットカード
ここまでのことをまとめると、
- クレジットカードは審査ありのため無収入者は手に入れられない
- クレジットカードは借金をして買うため、盗難・紛失時が怖い
- 国際ブランドはJCBよりも世界中まんべんなく使えるVISAかmastercardが良い
- プリペイドカードは無審査で手に入るが、金額が限られているために予想外のトラブルがあったときに対応できない可能性がある
- デビットカードは無審査で手に入り、預金口座に余裕のある額を預金しておけば旅行中も安心。もし預金が枯渇しそうであればSNSなどを通じて保護者に日本国内で預金してもられば良い
ということで、海外研修旅行にはVISAデビットカードが最適な選択肢であるといえます。
VISAデビットカードを選ぶ際の注意点
VISAデビットカードを選ぶ際の注意点は以下のようなものです。
- 自分の年齢で未成年口座を作れる金融機関であること
- その金融機関でVISAデビットカードを発行していること
さらに、
- 金融機関の使いやすさ:預金しやすい銀行などが良い
- カードの補償内容:盗難や紛失した時の対応が充実しているか
- 海外のATMでお金を現地通貨でおろせること。
- 手数料がなるべく安いこと
手数料は支払い時の取引手数料、為替手数料、ATM利用手数料などがあります
などを検討する必要があります。
VISA公式サイトにも活用法が記載されています。「マンガでわかるVisaデビット」など若者が活用するために分かりやすく作られています。
中高生・高専生がもてるおもなVISAデビットカード一覧
各社いずれも留学や海外旅行での利用を想定して、若者向けのWebページになっています。
三菱UFJ銀行:15歳以上(高校生以上)
三菱UFJ-VISAデビット | 三菱UFJ銀行
支店がたくさんある都市銀行なので、店頭で作りやすいです。
ソニー銀行:15歳以上(高校生以上)
対象となる外貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナの10通貨です。海外でのご利用は、ソニー銀行の外貨預金口座から引き落としとなるので、無駄な手数料がかかりません。
未成年者のかたの海外利用| Sony Bank WALLET(Visaデビットカード)|MONEYKit - ソニー銀行
ソニー銀行はネット銀行です。外貨預金口座も同時に開設でき、手数料を抑制することが出来ます。
楽天銀行(16歳以上)
16歳以上なら誰でも、審査なしで持てるVisaデビットカード! 楽天銀行デビットカード | 楽天銀行
楽天ポイントが利用額に対して1%貯まります。これはクレジットカードの楽天カードと同額です。
ゆうちょ銀行(12歳以上)
Visaデビットカード・プリペイドカード(mijica)−ゆうちょ銀行
店頭申し込みできる店舗は限られますが、ネットで申し込み可能です。
親がmijicaを作れば子供のmijicaへ手数料無料で送金することができます(「おくってmijica」)。
セゾンカードでおなじみの永久不滅ポイントが貯まります。
中学生から作れるVisaデビットカードはこれだけのようです(令和元年7月現在)。
なお、ゆうちょ口座は未成年でも作れます。0歳児でも作れます。
海外でかかる手数料の比較
デビットカード | 海外デビット利用時の手数料 | 海外ATM出金手数料 |
三菱UFJ-VISAデビット | 為替レート+3.0% | 108円(税込) |
ソニー銀行デビットカード | 無料 | 1.76% |
為替レート+1.76%(外貨口座に残高なしおよび外貨口座なし) | 216円(外貨預金口座なしの場合) | |
楽天銀行デビットカード(Visa) | 為替レート+3.024% | 無料 |
ゆうちょmijica | 為替レート+4.00% |
54円(税込) |
各社それぞれ手数料に差異があります。海外ではATMでたびたびおろすような使い方や、デビット決済に比重を置く人など、それぞれ使い方に合うVISAデビットカードを選ぶと良いでしょう。手数料に重きを置くならば、ソニー銀行デビットカードが一歩抜きんでていると言えるでしょう。
まとめ
高専生・高校生・中学生の海外研修旅行ではVISAデビットカードが有効である理由を、クレジットカードやプリペイドカードと比較しながら紹介しました。
- 国内で作りやすく、簡単にお金を口座に入れられやすいデビットカード
→ゆうちょmijica、三菱UFJデビット - 12歳以上で作れる
→ゆうちょmijica - 楽天ポイントが貯められる
→楽天銀行VISAデビットカード - 海外手数料が安い
→ソニー銀行VISAデビット
と、好みで選ぶと良いでしょう。
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iDeCo契約者の年代別・平均的アセットアロケーションを調べてみた|驚きのリスク許容度
iDeCoは自由に投資商品が選べる年金
- 個人型(個人が自由に設定できる)
- 確定拠出(一定金額積み立てするがいくらもらえるか分からない)
の年金ということで、強制加入で確定給付(一定額積み立てして、いくらもらえるかが法律で決まっている)の国民年金や厚生年金と対極にある年金です。
※イデコってなに|イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会
したがって、我々国民にとってはオプションの2階建て以上の部分になります。
iDeCoの年代別・平均的アセットアロケーション
※2019年4月12日づけiDeCoを始めとした私的年金の現状と課題(厚生労働省年金局企業年金・個人年金課)
この図は個人年金に対する日本人のリスク許容度を端的に表しています。皆さん自身のアセットアロケーションと比較していかがでしょうか?
私は、このアセットアロケーションはリスク許容度が非常に低いと思いました。
特に注目しなければならないのは、預貯金・保険商品の割合の高さです。年金受け取りが間近に迫っている、子供が大学生年代で資産を防衛する必要がある50歳代の預貯金・保険商品割合が6割と大きいのは理解できるものの、年金受け取りまで30年~40年あるはずの20~30歳代の預貯金・保険商品割合も50%以上あります。
ということで、日本人は、予想以上にリスク許容度が低いようです。
つまり、元本が減ることに強い拒否感があるということです。
iDeCoは個人年金なので、積極的に投資をしてお金を殖やそうと思っている「個人投資家」の割合よりも、「普通の人」が多いということなのかも知れませんね。
いずれにせよ、上の図で一般的に最もリターンが大きい外国株式と国内株式の割合が合わせて25%程度なので、平均的なアセットアロケーションではなかなかお金は増えていきません。
GPIF基本ポートフォリオよりもリスク許容度が低い
「長期的な観点から安全かつ効率的な運用」を行っていることで有名なGPIFの基本ポートフォリオは
- 国内債券 35%
- 外国債券 15%
- 国内株式 25%
- 外国株式 25%
です。これで、平成29年度の総合利回りは
平成29年度の運用実績は、収益率は+6.90%、収益額は+10兆810億円となりました。
また、市場運用を開始した平成13年度から29年度までの累積収益額は、+63兆4,413億円となりました。
ということでした。
したがって、iDeCo契約者の平均的アセットアロケーションは、「安全傾向に寄りすぎ」なアセットアロケーションといえます。
若い世代はリスクを取る傾向が出てきた
上の図では、20~30代のアセットアロケーションにおいて、高年齢層よりも投資信託の割合が増加傾向となっています。特に、30代が最もリスクテイクしています。
これは、ある程度株式でリターンを追求していこうと考える層が30代に多いということですね。
日本人はお金に対して保守的過ぎ・金融リテラシーが低いために、リスクをとってお金を殖やすことに消極的です。日本人はお金を持っているのに、株式市場にお金が流れていきません。そのために企業も資金を供給できません。
私も30代グループですが、長期的に安定して資産形成していこう、そのために無理なくリスクテイクしていこうとする層がもっと増えていけば、長期運用のリターンも底上げされるはずです。
余裕資金かつiDeCoやつみたてNISAなどの金融庁が認定した投資商品での運用ならば、投資は怖くありません。ある程度リスクテイクしても良いのではないかと思っています。
↓気づきがありましたらクリックをお願いいたします!
2019年6月:4人家族の投資損益まとめ|夫婦:つみたてNISA・iDeCo・特定口座、子供:ジュニアNISA
アセットロケーション(非課税投資枠)
アセットロケーションはアセットアロケーションとは異なります。お金を置く口座という意味です。詳しくは下記リンクを参照してください。
アセットアロケーションとアセットロケーション | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
我が家では、アセットロケーションのメインはiDeCoとNISAです。特定口座はサブという位置づけです。
- iDeCo(私(夫))月12,000円
- iDeCo(妻)月23,000円
- つみたてNISA(私(夫))月33,333円
- つみたてNISA(妻)月33,333円
- ジュニアNISA(娘)月66,666円
- ジュニアNISA(息子)月66,666円
iDeCoもNISAも非課税投資枠なので、特定口座よりも引き出しにくく、効率よく運用できます(その分アセットアロケーションが重要になります)。ここで合計234,998円/月を積み立てています。枠をすべて使い切る方針です。
アセットアロケーション(非課税投資枠)
我が家はのアセットアロケーションは先進国株100%です。具体的には、楽天・全米株式インデックスファンド50%、eMAXIS Slim先進国株インデックス50%のポートフォリオにしています。したがって、非常に米国に偏重しているといえます。
iDeCo
- 夫(12,000円/月)楽天証券
利益:3.5%(2017年6月開始)
- 妻(23,000円/月)
利益:-3.1%
妻のiDeCoだけはなかなかプラスになりません。手数料負けしているのと、ひふみプラスからのスイッチングのタイミングを間違えてしまい、利下げ期待による株価上昇を逃したためです。気長にプラテンを待ちます。
つみたてNISA
ジュニアNISA
- 娘(3)
NISAは2018年中に開始。66666円/月を積み立て中です。
利益:4.03%
- 息子(0)
NISAは2018年中に開始。66666円/月を積み立て中です。
利益:5.63%
始めた時期の差と投入金額の差で息子の方が益が大きいので、積み立て完了する4年後までに、息子と同額になるように娘の金額を増額するつもりです。
特定口座(夫)
- SBI証券 (1ドル107.67円)
利益:5.02%
QQQとVTIを売却した金額を三等分し、Vを90株ほど買い増し、BLVとWMを新規購入しました。Vは3万ドル弱、BLVとWMは1.5万ドルほどです。
来るべき下落相場に早めに対応しておこうという措置ですが、大阪G20の米中首脳会談で米中貿易摩擦の緊張が少し和らいだので、ポートフォリオ変更は少し早すぎたかも知れません。様子を見たいと思います。
VTIはこの際楽天・全米株式で賄うつもりで売却しました。特定口座はS&P500以上のパフォーマンスを目指したいという考えがあります。
QQQは割合の高いGAFAのタックス・ヘイブンやデジタル課税の問題がある程度株価に織り込まれるまで保有を控えようと考えました。また、単純に、税逃れをしている企業は応援したくないというのもあります。
Vはある意味ハイテク株であり、金融株でもあるため景気変動や為替の影響を強く受けます。しかし、キャッシュレスの流れは世界的潮流であるため、引き続きVISAのビジネスは安定的だと考えて保有継続です。元々お金が集まりやすい企業なので、暴落してもすぐ戻すだろう、と楽観的に見てもいます。
BLVは米国債券ETFでBNDよりも少し残存期間の長いタイプで、その分変動が激しいです。しばらく続く利下げ傾向を見込んでいるのと、株式との相関が低いために、株式暴落まで保有します。
WMは北米最大の廃棄物処理企業です。ほぼ北米でのみビジネスを展開していますので、為替、米中貿易摩擦や景気変動の影響を受けにくいです。また、人が生活する上でゴミは出続けます。ということで、WMのディフェンシブ性を考慮して買いました。 - 楽天証券
特定口座は中短期の投資用に使っています。現在は主に楽天(4755)を買い進めています。我が家は楽天経済圏にどっぷり浸かっており応援の意味もあります。
eMAXIS Slim国内債券インデックスは、楽天カード決済用です。
新興国株式インデックスは、楽天ポイント用です。月1回、1ポイント+499円で500円投資しています。
他のファンドは、興味の赴くままに少額だけ買っているものです。
関連記事です。
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